大学生リスト





大学4年生 投手編



 
佐藤 賢太(東農大北海道オホーツク)投手
178/71 右/右
(苫小牧中央出身)

(北海道学生野球連盟)

 
 苫小牧中央時代は、MAX142キロのストレートで道内を代表する投手と評判に。高2の時には、完全試合を達成。ドラフト時には、プロ11球団から調査が届いたという逸材。


塚野 廉(函館大)投手
176/65 右/右
(五泉出身)

(北海道学生野球連盟)

 
 
 140キロ近いストレートと多彩な変化球で試合を作る好投手。リーグ戦でも常に防御率の上位に顔出す実力派。

 
西藤 昭太(道都大)投手
182/85 右/左

(札幌学生野球連盟)

 
 
ややもっさりした体型の投手ですが、膝元に球威のある速球が決まった時には、唸るものがある選手です。09年度のドラフト候補になり得るかは、春までの成長次第ですが、道内の08年度組には、この時期から彼のようなMAX145キロを投げる投手がいなかっただけに、面白い存在が出てきたと思います。

 やや太めの体型だけあって、身体のキレに欠けるのが気になります。神宮大会の日本文理戦では、立ち上がりに高めに抜ける球が多く、制球力はイマイチ。甘くなった球を痛打されておりました。

 それでもコンスタントに130キロ台後半~MAX144キロだったかな?そういった球をけして無理しなくても投げられるポテンシャルは、かなり高いものがあると思います。特に低めにビシッと決まった時の球は見事で、一冬超えてこういった球が増えて来るようだと面白いと思います。

 変化球は、100キロ台のカーブ・120キロ台の縦に切れ込むスライダーがあるようです。その他にもツーシーム系など少しストレートも変化させたりもしているようです。ただ現在は、これといった変化球はありません。この投手、元来はもう少し内外角を突いてきそうなタイプで、ストレートは速いのですが、球威で詰まらせて討ち取るのが身上ではないかと思います。

 クィックも1.0秒前後と高速の上、牽制も結構鋭いです。フィールディングも下手ではないので、あとは落ち着いて処理する冷静を求めたいです。太めですが、こういった運動能力には優れたものがあります。

 ただ将来的な観点で見ると、マウンド捌き・投球リズムなどから、投手よりも野手タイプなのかもしれません。打撃でもチームの3番を担っている程の選手です。まあその辺の適正は、一冬超えて判断したいところです。タイプ的には、オリックスに今年3位指名された西 勇輝(菰野)投手に似ているかなと思いました。

 フォームとしては、お尻が一塁側に落とせるのですが、引き上げた足を少し二塁側に送り込めるとバランスが良くなり、着地が早くなるのを防げると思います。この着地の粘りの無さが、彼の開きを早さにつながっていると考えられます。そのためボールを隠す意識、身体の開きを抑える技術を身につけて来ると、少しフォームにイヤらしさが出てくるのではないのでしょうか。

 あまり投手としてのインテリジェンスを感じさせない部分はあるのですが、これだけの球を投げる投手が、08年度の道内にいなかったことを考えると、一冬超えてどの程度になるのか気になりました。

 ただ選抜では、殆ど昨秋から成長した姿を見せられませんでした。これから春を迎える北海道の選手。夏に向けての、成長を期待してみたいと思います。

(2009年・センバツ)

 
粟野 翔太郎(道都大)投手
185/82 右/右
(明徳義塾出身)

(札幌学生野球連盟)

 
 明徳義塾時代から、本格派として期待されていた投手も、最終学年を迎えました。今春のリーグ戦でも、2試合・6回1/3イニングを投げて、防御率 1.42 。この4年間で、思ったほどの成長が見られなかったのは残念です。

 大学選手権・東農大生産学部相手に、リリーフで登場。しかしバント処理を悪送球したり、四球を出したりして、足場の悪いマウンドに苦しめられ持ち味を発揮できませんでした。

 豪快に真上から腕を振り下ろして来るフォームで、常時130キロ台後半(MAX139キロ)のストレートと、少しドロンとしたチェンジアップのようなフォークとのコンビネーション。ランナーを背負った場面で三振を求められましたが、期待に応えられませんでした。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を空中でピンと伸ばせれば、お尻がもっと一塁側に落ちて体を捻り出すスペースが確保できそう。フォークを武器にしている投手だけに、なおさらその辺は気になります。

 「着地」までの粘りは平均的で、ある程度の変化球は投げられそう。更に粘りが出てくると、体をひねり出す時間が確保でき、変化球のキレ・変化の大きさも増すのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆

 グラブが抱えられず、フォームが暴れてしまっています。グラブを抱える意味は、外に逃げようとする遠心力を内に留めるため。足の甲の押し付けも浅く、ボールが高めに抜けてしまいます。「球持ち」自体は悪いと思いませんが、今のままではコントロールも安定しないのではないのでしょうか。

<故障のリスク> 


 お尻を落とせない割に、縦の変化を多投するので肘への負担は気になります。更に背中を後ろに反って、腕を真上から振り下ろすフォームなので、肩への負担も大きいですね。故障には充分注意して、取り組んで欲しいと思います。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは平均的で、「開き」も早くはないので、合わせやすいわけではないでしょう。

 豪快な振り下ろしにより、腕は体にしっかり絡んできます。速球と変化球の見極めは、難しいのではないかと思います。ボールにも体重が乗せられているので、球速よりは勢いのあるボールが投げられているのではないのでしょうか。

(最後に)

 球速も常時140キロ台に、縦の変化にキレが出てくれば面白い存在だとは思います。ただ卒業後も野球を続けるのは不明。本人が、どのぐらい野球に探究心が残っているのか?企業チームで続けてゆくのは厳しいかもしれませんが、クラブチームでも続けて行ってくれればと思います。発想と努力次第では、まだまだ改善の余地が残されているのではないのでしょうか。

(2013年 大学選手権)



 恵まれた体格から大きく振りかぶって投げ降ろす、将来楽しみな本格派右腕。球速はまだ125~130キロぐらいだが、投げ方・体格も良く、最終学年では140キロ台も期待出来そうなスケールがある。

 変化球は、オーソドックスにスライダーとのコンビネーション。明徳では、久々の大物右腕の誕生か。

(2007年・神宮大会)

 
野原 大貴(北翔大)投手
187/74 右/右
(旭川実業出身)

(札幌学生野球連盟)

 
 恵まれた体格と強い腕の振りから投げ下ろす140キロ台の速球が魅力。

 
鍵政 祥太(札幌大)投手
193/83 右/右
(北海学園札幌)

(札幌学生野球連盟)

 
 長身から繰り出す角度のあるボール武器に、今秋のリーグ戦で45イニングで1失点の安定感。プロを目指すのならば、もうワンランク上の球速を望みたい。

 
小林 寛(八戸大)投手
180/80 右投げ
(光星学院出身)

(北東北大学野球連盟)


(どんな選手?)

 バランスの取れた投球フォームで、一年生ながら活躍した選手です。春の関東遠征で八戸大戦を見た時も、この投手が先発でした。その時は、常時135キロ前後だったので、ワンランク球威・球速を増してきたのかもしれません。

(投球内容)

 観戦日はリリーフでの登場でもあり、コンスタントに140キロ台をマーク(MAX144キロ)し、手元までしっかり伸びのある球を投げ込んでおりました。変化球は、スライダー・フォークなど。そういった球を交えながら勝負するバランス型の投球スタイルです。

 クィックは、1.2~1.25秒ぐらいと平均的。フィールディングも並レベル。マウンド捌きなどは悪くないのですが、この日は緊張もあったのか?結構制球にバラツキがありました。

(今後に向けて)

 物凄く凄みのあるタイプではありません。ただこのまま総合力を引き上げられるならば、将来は有望な選手だと思います。すでにあるレベルまで来ている投手で、今後の上積みがどれだけ残っているのかは微妙ですが、更に北の大地で大きく伸びることが期待される一人です。

(2010年 大学選手権)



全国的には、チームメイトの下沖 勇樹の方が注目されておりますが、この小林はフォームに癖がなく、将来的には彼の方が面白いのではないかとさえ思わせてくれる存在です。すでに常時135キロ前後の球を投げ込み、最速では140キロ台を記録すると云われている速球派です。

 中背でオーソドックスなフォームなので、それほど球に勢いは感じても、威圧感はありません。現状は、スライダーとのコンビネーションで、球の勢いで勝負するタイプの投手だと思います。

 残念ながら、神宮大会では登板がなかったので、その成長を確認出来るのは、センバツ以後となってしまいました。ただ一冬超えた成長次第では、ドラフト候補としてマーク出来るかもしれない存在なので、甲子園では、その投球ぶりに注目してみて頂きたい一人でした。

(2008年・夏)

 

高田 寛敏(富士大)投手
182/68 右/右
(三沢出身)


(北東北大学野球連盟)

 

(どんな選手?)

 青森の三沢高校時代から、好投手として知られていた投手。今春のリーグ戦では、3勝1敗 防御率 1.36 と活躍し、チームの優勝に貢献しました。大学選手権緒戦となった近大工学部戦でも先発し、全国の舞台を経験しました。

(投球内容)

 上下動の激しいフォームながら、常時135~MAX140キロの綺麗な球筋の速球を投げ込みます。それほど驚くような球威・球速はないのですが、正当派投手といった感じで、伸びのある球を投げ込みます。

 変化球は、120キロ台のスライダー中心に、130キロ台前半のカットボールらしき球。その他あまり投げませんが、緩いカーブやチェンジアップ系の球もあるかもしれません。更に高速で沈むスピリットのような球など、球種は少なくありません。

 牽制は、ややモーションが大きいものの鋭い牽制を魅せます。フィールディングも、落ち着いて処理できており、クィックも1.05~1.25秒ぐらいで投げ込めるなど、投球以外の部分にも破綻はありません。

 右打者には、両サイドに大まか投げ別けられるのですが、左打者には枠の中に投げ込むだけといった感じですし、ボールも高めに抜けるなど制球に課題を残します。マウンド捌きなどは悪くないだけに、そういった投球の細かさを身につけたいところ。

(投球フォーム)

 ランナーがいなくてもセットポジションから投げ込み、勢いよく足を引き上げる投球フォーム。ただ引き上げた足を地面に伸ばすので、お尻の一塁側への落としは浅く、更に「着地」までの粘りに欠けるところが気になります。そのため見分けの難しいカーブの修得やフォークのような縦に鋭く落ちる球種の修得が厳しく、投球の幅を広げて行くことには苦労しそう。

 グラブは最後まで内に抱えられているのですが、「球持ち」はそれほど好くなく、指先の感覚にはそれほど優れません。まして足の甲の押しつける時間が極めて短いので、ボールが上吊りやすい要因を作ります。また腕の角度を無理につけているので、体への負担も大きなフォーム。故障などには充分注意して、登板後のアフターケアを入念にやって欲しいものです。

 「着地」までの粘りに欠ける割には、肩の可動域の柔らかさからか、ボールの出所が見えるのは平均的。もう少し腕を鋭く振れるようになると変化球も活きてくると思いますが、筋力不足が投球からも観られます。ただ「体重移動」は悪くないので、今のフォームをベースに肉付けすれば、まだまだ球威・球速を増すことは期待できそうです。

(今後は)

 全国の舞台を経験し、この経験を以下に今後につなげて行けるのか。これはもう、指導者や環境と言うよりは、本人の意識の問題だと考えられます。これから更に上を目指すとするならば、課題も多く抱えますし、肉体的にも発展途上の印象を受けます。投手としては、今後卒業するまでの2年間の間に、どのぐらい己を高めて行くかで、その将来が決まってきそうです。ぜひ今度出会える時は、大きく成長した姿を、ぜひ確認してみたいものであります。

(2011年 大学選手権)

 
 
塚本 峻大(東北学院大)投手
178/74 左/左
(利府出身)


(仙台六大学野球連盟)

 
 21世紀枠での出場ながら、選抜4強の活躍で大会を盛り上げた好投手。

 
金沢 光基(仙台大)投手
179/72 左/左
(札幌創成出身)

(仙台六大学野球連盟)

 
 高校時代にプロからも注目された左腕だそうです。確かにプロからも注目されたということはあって、球筋の良いストレートとボールの勢いには見るべきものがあります。球速は135~MAX88マイル(140.8キロ)を記録。左のショートリリーフならば、勢いもあるだけに面白いという見方もあるかもしれません。

 ただ如何せん、細かいコントロールがないのと、変化球がスライダーぐらいで、この球のコントロール・キレともイマイチ。確かに高校生で、この投球を魅せられたらプロも「オッ!」と思うかもしれませんが、大学生でこの総合力では厳しいと思います。もしこの手の勢いにかまける投球ならば、最低でも常時140キロ台~中盤は欲しいなぁというのが率直な感想。勢いのある左腕ということで、社会人で受け入れてくれるチームがあるかもしれませんが。

(2013年 春)

 
田代 敏史仙台大)投手
178/76 右/右
(作新学院出身)

(仙台六大学野球連盟)

 
 この投手、甲子園でイニングの途中から突然エンジンがかかり、常時145キロ前後~MAX149キロの凄いボールを投げ込んでいた投手として、記憶にある人も少なくないでしょう。

ただ大学での活躍は殆どきかず、この4年になって仙台大で野球を続けていることを思い出す。アーム式の腕の振りで、肩でも痛めてしまったんですかね? 常時130~頑張っても中盤まで。代わったばかりは、力みからワンバウンドの球も少なくありません。投球の殆どはストレートで、カーブみたいな球も投げましたが、僅か1イニングの登板でした。

 甲子園でもリリーフで登板した直後は130キロ台中盤ぐらいだったのが、肩が暖まってから突然剛球が復活したように、エンジンのかかりが遅いタイプなのかもしれません。ただこの試合投球を見る限り、何処か痛めてしまって、球速が出ないのかなという印象でしたし、投手としてのまとまりがありません。彼も、大学4年でこの総合力ではキツイなというのが率直な感想です。

(2013年 春)



(どんな選手?)

 前評判では、130キロ台後半ぐらいがMAXだと聞いていたのだが、甲子園では145キロ級を連発・MAX149キロを誇る投球で、勢いのある投球を披露してくれた無名のニュースター。

(投球内容)

 エースの小嶋康平に代わってリリーフで登場。最初の2イニングスは、130キロ台中盤ぐらいの速球はシュート回転し、長野日大打線に追加点をどんどん献上していった。試合の途中から、突然打たれ過ぎて開き直ったのか?それとも肩が温まったのかは定かではないが、球速がUPし始めたのには圧巻。

 常時145キロ前後の球速を連発し始め、MAX149キロの速球には、実に馬力を感じさせる投球内容だった。変化球は、スライダーとチェンジアップ。特に速球が走ってからは、この130キロぐらいのチェンジアップに、長野日大の打者達がタイミングが合わせられなかった。

 右打者には、アウトコース中心。左打者には、アウトコース・インコースの低めにボールを集めることが出来ていた。ただアウトハイに抜ける球も、けして少なくはない。制球は、それほどピンポイントの細かさはないが、球が走ってからは低めで好く伸びていた。

 クィックは、1.2秒前後と平均的。牽制・フィールディングなどに関しては、あまり好くわからなかった。ただマウンド捌きを見る限り、それほど特筆すべきセンスは感じられない。

(今後は)

 恐らく栃木県大会でも、評判にならなかったように、甲子園で登板した序盤のような130キロ台中盤ぐらいの投球をしていたのではないのだろうか。現に14イニングで、奪三振は9個と少なめだからだ。

 だが、秘めたる能力があったのか?まるで別人のような躍動感のあるフォームに変わり(投げ終わった後バランスを崩すほどに)、ちょっと並の高校生では捉えられそうもない勢いが速球にあった。

 この突然変異的な投球が、普段から出来ているならいざ知らず、こういった投球を普段出来ていないとなると、この投球だけで過大評価するのは危険だろう。実際冷静に分析してみると、かなりその投球内容は粗い。

 速球の球速・勢いは一級品なものの、よほど同レベルの投球を栃木大会でしていない限り、私は高卒プロで指名するには時期尚早であるように思える。ただ、こんな勢いのある球を投げる投手がいるんだと言うことを、頭に片隅に留め、栃木大会の投球を確認して、最終的な評価を下したいと思う。ただ間違いなく、今大会最大級のサプライズになることは間違いない!
 

(2009年・夏)

 
立花 完(仙台大)投手
186/80 右/右
(土浦日大出身)

(仙台六大学野球連盟)

 
 この投手は、マウンド捌きが洗練されてるので、恐らくリーグ戦でも実績豊富な投手だろうと思ったし、これが 立花なんだなというのは数球みて確信しておりました。

立花は、球速は120キロ台後半~130キロ台中盤ぐらいまでで、球威・球速に驚くものはありません。カーブ・スライダー・ツーシーム・チェンジアップ・カットボールなど、多彩な変化球を操る実戦派。特に、手元で小さく変化するボールで、バットの芯をズラすのが持ち味のようです。リーグ戦での実績も充分なのですが、いかんせん球速がないので、社会人レベルの打者を完全に押さえ込むのは厳しいのではないかと感じます。ただピッチングのできる投手であり、実績もあるので、地元の東北・北海道地区あたりの社会人からは声がかかるかもしれません。

(2013年 春)

 
伊藤 直輝(東北福祉大)投手
177/73 右/右
(日本文理出身)

(仙台六大学野球連盟)

 

 そんなに高校時代から変わった感じはしなかったけれど、以前よりも下半身を使えるようになったのは収穫。元々神宮大会・選抜・夏の大会と全国でお馴染みの好投手だったのだけれども、もう完成されているなといった投手に見えたから。東北福祉大でも、2年生ながら唯一ベンチに入った投手だった。

(投球内容)

 明治大戦では、交代っぱなボールが高めに抜けるのが目についた。球速は、135~MAX141キロ程度。球速といった意味では、高3の時からほとんど変わっていない。

 変化球は、横滑りするスライダーと、日本文理伝統の縦の変化は健在。ただこの球が、曲がりが早いのか?思いのほか打者が手を出してくれない。ボールは適度に散っているが、細かな制球力がないところも、高校時代と同様。球速だけでなく、制球や投球術にも、大きな変化は感じられなかった。

(投球フォーム)

 お尻も一塁側に落とせるし、腕の振りにも無理がないので、縦の変化を多投しても故障の不安は少ない。ただ腕にそれほど角度がないので、意外に縦の変化が鈍い印象は否めない。これだけ縦の変化を多投すれば、打者がもっとも空振りしてもらわないと困るだろ。

 グラブも最後まで内に抱えられているし、足の甲での地面の押しつけも悪くない。ただ「球持ち」が浅く、どうも指先の感覚が悪い気がする。もう少しボールを持てるようにならないと、制球だけでなく、ボールの曲がりも早すぎることになるのではないのだろうか?

 特にフォークやスライダーなどで空振りを誘いたいのならば、腕の振りをもっとシャープに振り抜かないと、打者は速球との見分けがついてしまうだろう。また投げ終わったあと、体に絡むような、粘っこい腕の振りを身につけたい。

(最後に)

 早くから人材の厚い福祉大の中で頭角は現したものの、なんだか高校時代の貯金で投げている印象は否めない。もう少し意識を高く持って取り組んで行かないと、今後は大きくは期待できないのではないのだろうか?

 今後爆発的に球威・球速が増すタイプではないと思うので、いかに実戦的な術を追求し、今の能力でも、よりそれを活かす術を身につけて欲しい。今のままだと、ここまでの投手ということで、大学まででノーサンキューになるかもしれないぞ。

(2011年 神宮大会)



(どんな選手?)

 秋の神宮大会・選抜出場、そしてこの夏と、全国大会でもお馴染みの好投手。

(投球スタイル)

 少々着地までの粘りがなく、上体で投げてしまうフォームが気になります。ノーワインドアップからテンポ良く、常時130キロ台後半~MAX141キロまで記録しておりました。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップ・縦のスライダーなど、かなり球種は多彩だと言えると思います。

 右打者には、アウトコースにカーブやスライダーを集め、寒川戦ではあまり速球で押す機会が少なかった気が致します。しかし時々高めに甘く入る球を痛打されておりました。また左打者には、アウトコース中心に球が集められますが、ストライクゾーンの枠よりも遙か上に抜けて行く球も少なくありませんでした。牽制やフィールディングは基準以上、クィックは1秒前後で投げ込めるなど、超高速クィックが見物です。

(今後は)

 中背でオーソドックスなフォームのため、あまり怖さはありません。適度にまとまっておりますが、制球力は意外にアバウトです。

 すでにある程度完成した投手とのイメージが強いものの、センバツよりも球威・球速を増し発展途上の投手です。今後有力大学に進んで野球を続けて行くことになると思いますので、その成長を間近で見守って行ければと思います。

(2009年・夏)



 ワインドアップで振りかぶり、気持ちの良いテンポの良さが魅力の好投手です。秋の北信越大会を制し、神宮大会にも出場してきました。選抜の出場が、濃厚な選手です。

 中背の体格から、常時130キロ前後(MAX137キロ)の速球に、カーブ・スライダー・チェンジアップなどを投げ込んできます。特にスライダーは、日本文理伝統の縦に割れるスライダーの担い手です。

 ストライクを取ることは苦にしませんが、結構球にバラツキがあり制球はアバウトです。特に球威のない変化球が、甘く入るところが課題です。ただ近年、日本文理の投手の活躍は、全国的にも目を見張るものがあります。きっと確かな育成ノウハウを確立しつつあるのでしょう。それだけに彼も、一冬超えて、もう一回り、二回り身体が大きくなり、総合力が引き上がって来ると面白そうです。

 現状は、まだまだ秋季タイプチームだから活躍するタイプの好投手でしたが、一冬超えて確実に成長して来ると、大学など次のステップが見えて来るのではないのでしょうか。


(2008年 秋)

 
久保 慧太(東日本国際大)投手
182/76 右/右
(東日本国際大昌平出身)

(南東北大学野球連盟)

 
 182/76の均整の取れた体格から、高校時代はMAX145キロを記録し、中日のスカウトがコメントした記録が残っています。今日は、135~後半ぐらいでしたがボールに勢いがあり、キレのあるスライダーとのコンビネーション。1,2年生あたりなら面白いなと思って帰ってきましたが、今年最終学年を迎えます。

 今日は勝負どころで甘く入ったところを痛打されたりと、やはり総合力に課題があるよう。高校時代の素材の良さを、大学で上手くは伸ばせないまま、ここまで来てしまったのかもしれません。そういった意味では今日3投手ほどしか見ていませんが、昨年の西川・中篠 などの全国レベルの投手はおらず、投手陣に不安が残るチームなのかもしれません。

(2013年 春)

 
横田 哲(上武大)投手
171/70 左/右
(飯能南出身)

 
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黒沢 征治(常磐大)投手
175/75 右/右
(常磐大高出身)

(関甲新リーグ野球連盟)

 
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坂本 桂祐(関東学園大)投手
165/55 右/右
(深谷商出身)

(関甲新リーグ野球連盟)

 
 小柄ながら野球センス抜群で、この体格からでも力強い球を実現。

 
高梨 裕稔(山梨学院大)投手
185/75 右/右
(土気出身)

(関甲新リーグ野球連盟)

 
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真島 健(東京国際大)投手
178/78 右/右 
(浦和学院出身)

(新東京大学野球連盟)

 
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亀谷 拓郎(杏林大)投手
186/90 右/右
(東亜学園出身)

(新東京大学野球連盟)

 
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伊藤 ディエゴ(共栄大)投手
178/76 右/右
(本庄一出身)

(新東京大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 旧チームからエースナンバーを付けている選手です。MAX138キロのストレートが、一冬超えて、どのぐらい伸びて来ているのか注目されていた選手です。必ずといって好いほど埼玉の高校野球を語る時には、名前のあがる選手でもあります。

(ピッチングスタイル)

 常時130~135キロぐらいの速球には、球威は感じますが、それほど手元の勢い・伸びは感じません。スライダーとのコンビネーションが主なのですが、非常に遅い100キロ弱のパームのような不思議な変化球があります。

 右打者には、インコースを厳しく突きつつ、アウトコース低めにスライダーを決める投球スタイルです。ただ左打者に関しては、かなり制球がアバウトになり、甘く高めに浮いた球を痛打されておりました。また牽制には、鋭さを持った選手です。

 ただ投球に凄みがあると言うほどの迫力はありませんし、それほどマウンド捌きに優れていると言うほどでもなく、特に特徴らしい特徴はありません。

(今後は)

 正直、一冬超えての成長は殆ど感じませんでした。もう少し身体に力のある選手なので、変わって来るかなと思ったのですが・・・。現状、プロ云々の選手ではありません。ただ大学なり、社会人なりに進んで、更に資質を伸ばすことを期待したいです。そのためにも、夏までに、存在感を示して、そういった扉をこじあけて欲しいですね。


(2009年・春季大会)



(どんな投手?)

 馬力のある素材で、MAX138キロを記録する投手です。チームメイトの萩原 友樹と共に左右の両輪としての活躍が期待されます。夏は、エースナンバーを背負ってチームを甲子園に導きました。

(投球スタイル)

 昨夏の時点で、常時130キロ前後ぐらいは出ていそうでしたが、それほど手元まで伸びて来るような球質ではありませんでした。変化球は、縦・横二種類のスライダーを投げ込みますが、特に横のスライダーとのコンビネーションです。

 右打者には、外角高めに速球とスライダー、それに低めのボールゾーンへ逃げてゆくスライダーを投げます。時折甘い球もあるのですが、おおよそ外に球が集まっており、制球はまとまっております。左打者に対しても、両サイドに球が散っており、意外に制球は悪くありません。この辺が、下級生ながらチームのエースナンバーを任されてきた理由かもしれません。

 さりとて、それほど武器になる球があるわけではありません。もう少し縦の変化に磨きがかかれば、別かなと思います。牽制はそれほど鋭くなく、クィックは1.3秒~1.4秒ぐらいとやや緩慢です。ただフィールディングの動きは、中々よさそうです。それほど野球センスや試合をまとめるセンスが高いようには感じませんでした。

(今後は)

 身体が強そうなので、一冬の間に結構伸びて来るかもしれません。それほど特徴のある投手ではないのですが、常時135キロ級~MAX140キロ強レベルまで到達して来ると、かなり印象は変わって来るかもしれませんね。また縦スラがあるようなので、この球にも磨きがかかって来ると楽しみです。現時点では、09年度の埼玉期待の投手として常に名前があがる存在です。その期待に応えられる活躍を、ぜひ期待したいものです。

(2008年・夏)

 
石川 柊太(創価大)投手
183/75 右/右
(総合工科出身)

 
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野川 拓斗(城西国際大)投手
171/70 左/左
(川口青陵出身)

(千葉大学野球連盟)

 
 小柄ながらキレのある速球とスライダーを武器にするサウスポー。

 
安達 央貴(国際武道大)投手
182/82 右/右
(華陵出身)

(千葉大学野球連盟)

 
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山口 眞史(中央学院大)投手
179/78 右/右
(八王子出身)

(千葉大学野球連盟)

 
 リーグ戦では最優秀防御率に輝くなど、粘着こい投球で安定感抜群。

 
横山 貴明(早稲田大)投手
180/79 右/右
(聖光学院出身)

(東京六大学野球連盟)


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小山田 拓夢(早稲田大)投手
176/75 右/右
(古河三出身)

(東京六大学野球連盟)

 
 全く知らない投手でしたが、ブルペンから速さそうな球を投げておりました。球威で押す豪速球と言うよりは、ビシッとミットに突き刺さる勢いでキレを感じさせる球質です。典型的なスライダー投手ですが、1年春からリーグ戦では、存在感を示してくれそうです。

(2010年 六大学・社会人対抗戦)

 
白村 明弘(慶応大)投手
187/84 右/左
(慶應義塾高出身)


(東京六大学野球連盟)

 
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山形 晃平
(慶応大)投手
176/74 右/左 
(土佐高出身)

(東京六大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 非常にバランスの取れたフォームから、145キロ前後の快速球を投げ込む好投手です。マウンド捌きも1年生とは思えないほど落ち着いておりますし、今後の活躍が期待される存在です。今春のリーグ戦では、6試合に登板。 1勝0敗 防御率5.68ながら、存在感を示すシーズンとなりました。

(投球内容)

 コンスタントに140キロ台を記録し、大学選手権の中央大戦では先発して、MAX147キロを記録。球質はキレ型で、空振りを奪えるものがあります。ただ球威はあまりないので、甘く入ると怖い面があります。

 変化球も、右打者に外角に集められる確かなものがあり、左打者にはチェンジアップを外角に集めます。制球力・マウンド捌きにも優れたタイプで、どうして春のシーズンの防御率がここまで悪いのかは疑問です。ただ縦の変化には乏しいので、本当の意味での決めてに欠ける傾向にはあります。

 牽制も極めて鋭く、フィールディングも上手い。クィックも1.15~1.20秒にまとめられ、野球センスに優れます。

(今後に向けて)

 中背なんで、今後あとどのぐらいスケールを増して行けるのかは微妙です。しかし今の球の勢いでも実戦力を磨けば、大学球界を代表するだけの投手になれる能力はあると思います。凄みで圧倒するスケール型よりも、隙なしの鋭さを磨いて、相手につけいる隙を与えないような投手に育って欲しいですね。

(2010年 大学選手権)

 
 
岡 大海(明治大)投手
184/78 右/右 
(倉敷商出身)

(東京六大学野球連盟)

 
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関谷 亮太(明治大)投手
180/78 右/右
(日大三出身)


(東京六大学野球連盟)

 
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矢部 佑歩(立教大)投手
178/80 右/右
(立教新座出身)


(東京六大学野球連盟)

 
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梅田 広久(法政大)投手
179/73 右/右 
(秀岳館出身)

(東京六大学野球連盟)


(どんな選手?)

 熊本の秀岳館時代は、早くから熊本屈指の速球派として、プロからも注目されていた投手です。ベイスターズに育成枠で入団した国吉佑樹投手と同期で、むしろ前評判ではエースの梅田の方が評判の高い投手として知られていました。

(投球内容)

 元々中背の投手で、テイクバックも小さくスケールのある投げ方ではありません。球速は、常時130キロ台後半~140キロ台前半ぐらい。それほどボールに威圧感はなく、スライダーやチェンジアップだかフォークのような独特の縦の変化を交えます。

 制球は、枠の中にボールを集めるのには苦にしません。しかしながら、ストレートが高めに浮く傾向があり、ボールにそれほど勢いがないので怖い側面があります。その分、低めのボールゾーンに切れ込むスライダーがあるので、右打者にはインハイにストレート、アウトローにスライダーと言う対角線の配球ができます。現状イマイチ殻を破れないのは、ストレート全体が高いからではないかと考えられます。

 ただ、まだリーグ戦での経験が浅いせいか、マウンドでは落ち着いて地に足の着いた投球ができていません。元来マウンド捌き、投球センスはある選手なので、もう少し六大学の舞台に場慣れして来ると、もっと違う投球が期待できそうです。

(投球フォーム)

 お尻を一塁側に落とせる投手なので、もっと緩急の利いたカーブや縦に鋭く落ちる変化球を修得できる土台はあると思います。そのためには、更に着地までの粘りが出てくると、投球の幅が広げられる可能性があります。

 グラブの抱えが最後ほどけてしまっているので、どうしても両サイドの制球が不安定です。更に足の甲の押しつけはできてるいるのですが、膝小僧に土が着いてしまうほど重心が沈む瞬間があり、その割に下半身が使えないフォームで、ボールが高めに抜け気味です。球持ちも浅いので、もう少しボールを低めに押し込めるようになると良さそうです。

 投球の4大動作においては、「着地」までの粘りは平均的ですが、「開き」が早くボールが見やすい欠点があります。また「球持ち」も浅く「体重移動」も不十分で、イマイチ体重が前に乗ってこないので、ボールが手元まで生きてきません。もう少し小手先で投げるのではなく、腕を強く振って、下半身が上手く使えて来ると、フォームに躍動感、ボールに威圧感が出てくるのではないのでしょうか。

(最後に)
 
 持っている野球センスも悪くないですし、よくなる可能性も秘めています。あとは、いかに自分で投球の引き出しを増やしていったり、自分の欠点を見つめ修正してゆける意識が持てるかだと思います。現状、まだ高校時代の能力を充分発揮するまでには至っていないので、まずは場数をこなし自信をつけることで、地に足の着いた自分の投球ができるようになることではないのでしょうか。今後の投球に、期待してみたいと思います。

(2011年 春季リーグ戦)

 
 
船本 一樹(法政大)投手
186/81 右/右
(桐蔭学園出身)

(東京六大学野球連盟)


 
 右サイド特有の大きな曲がりをするスライダーを武器にする投手だったが、ストレートもコンスタントに135~140キロ前半まで出せるようになり、ボールに強さが出てきたところが収穫。この調子ならば、今季はリーグ戦での活躍も期待できるのではないのだろうか。

(2012年 オープン戦)

 
九里 亜蓮(亜大)投手
186/82 右/右
(岡山理大附出身)


(東都大学野球連盟)

 
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東條 大樹(青学大)投手
178/75 右/右
(桐光学園出身)

(東都大学野球連盟)

 
 
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斎藤 英輔(青学大)投手
178/76 右/右
(青森山田出身)


(東都大学野球連盟)

 
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柿田 竜吾(国学院大)投手
182/75 左/左
(旭川大高出身)

(東都大学野球連盟)


(どんな投手?)

 北海道では、速くから評判の投手でした。北北海道予選では、60イニングで奪三振88個を取る、奪三振マシーンぶりが注目される左腕です。

(投球内容)

 大きく反動を付けながら、前の足がブロックして体重移動を阻害し、下半身の使えない独特のフォームを作り出しております。手足が長い上に、上体を鋭く振って来るので、打者は中々タイミングが計り難い変則左腕です。

 球速は、120キロ台後半~MAX134キロぐらいでしょうか。球質そのものには、特筆すべきものはありませんが、上記に記したような理由で、打者にとっては厄介な投手です。カーブ・スライダー・それにスクリュー系もあるのでしょうか?特に光ったのは、思わずタイミングが崩されてしまうスライダーが、彼の最大の武器です。

 球は、高めに集まり、細かいコースの投げ分けは見られないアバウトな制球の持ち主です。ただこの独特のフォームと球の変化で勝負するタイプで、コースに投げ分けて仕留めるタイプではないようです。

 ただやはり甘い球は多いので、いくら打ちにくくても、慣れて来ると捉える来ることは充分可能だと思われます。もしこれで、145キロ前後投げられれば、本当に厄介だと思いますが、如何せんスピードがないのが残念です。

(今後は)

 う~ん、何処まで球威・球速が今後増して来るのかが疑問ですね。もしそれが可能であれば、レベルが高いところでも、独特のフォーム・球筋で活躍出来ると思います。今後、大学などでのレベルアップを期待してみたいと思います。

(2009年・夏)



 日の投球は確か4回からマウンドにあがり再三ランナーを背負い苦しみながらも、要所はしめていたんですが、9回表に勝ち越しのソロホームランを打たれてしまい、3-2で富良野高校が旭大高をくだしました。

目測ですがストレートが常時122~125くらいですかね?今日はストレートが全部高めで簡単に捉えられていましたね。その他に90キロ代のカーブに、110後半のスライダー、あとチェンジアップみたいな球を投げてました。

 去年の秋もそうだったんですけどやはり連投になるとスタミナという点が、足りないような感じですね。高校‐即プロといった感じには感じられなかったです。

(2009年春・スタルヒン氏)

 
 
杉浦 稔大(国学院大)投手
188/82 右/右
(帯広大谷出身)


(東都大学野球連盟)

 
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能間 隆彰(東洋大)投手
181/85 左/左
(桐蔭学園出身)

(東都大学野球連盟)



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山田 智弘(専修大)投手
185/85 右/右
(県立岐阜商出身)


(東都大学野球連盟)

 
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石橋 良太(拓殖大)投手
184/82 右/右
(明徳義塾出身)

(東都大学野球連盟)


 
 数々の選手を育てあげてきた名称・馬淵監督をして「天才的なプレーをする森岡良介のような選手」と評する高い野球センスが売りの好選手です。

 とにかくシャープで、対応力のある打撃が魅力です。それでいて、しっかり振り切れるスイングは、確かに明徳打線の中でも、最も才能豊か選手といった印象を受けます。左の好打者ながら、スクエアスタンスで構え、インステップで踏みこんで来る強打者タイプでもあります。踏みこんだ足元もブレず、外の球をきっちり捉えられる選手です。

 今回の観戦では、守備・走塁に関してよくわかりませんでしたが、秋観た時には、二塁手としても強肩・好守選手で、塁間も4.1秒で走り抜けられるなど、三拍子のバランスの取れたプレーヤーと云った印象があります。新2年生で、来年の高知を引っ張って行く存在だと思われます。上の領域を見据えるならば、何か一つ武器になるものを身につけて欲しいと思います。

(2008年・センバツ)



 チームの1番・二塁手。ボールを手元まで引きつけておいて、きっちり叩ける鋭いスイングには好感。しっかり振り切るので、打球もよく伸びる。二塁手しては、中々の強肩の持ち主で、一塁までの塁間も4.1秒強と基準以上の俊足。打力がある上に、守・走のバランスの取れた将来楽しみな1年生。

(2007年・神宮大会)

 
崎田 聖羅(立正大)投手
177/78 右/右
(立正大淞南出身)

(東都大学野球連盟)

 
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岩崎 優(国士舘大)投手
184/77 左/左
(清水東出身)

(東都大学野球連盟)


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猿川 拓朗(東海大)投手
183/86 右/左
(花巻東出身)


(首都大学野球連盟)

 
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渡辺 圭(東海大)投手
171/69 左/左
(東海大甲府出身)


(首都大学野球連盟)

 
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六埜 雅司(東海大)投手
173/73 左/左
(光星学院出身)


(首都大学野球連盟)



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宮谷 陽介(筑波大)投手
174/72 左/左
(報徳学園出身)


(首都大学野球連盟)

 
 常時135キロ前後~MAX139キロ(私のガンでも87マイル・139.2キロ)を記録。その球速表示以上に感じさせる、球質とテンポの良さが目立つ。変化球も、カーブ・スライダー・スクリューとひと通りあり、それらをコースに投げ分けられ、ボールも低めに集まるなど制球力も安定。

 今シーズンは、中々好投するも報われないことが多いとのこと。あと一歩の詰めの甘さを克服できれば、面白いだろう。今日見た左腕の中では一番の内容の投手であり、ドラフト候補といったスケール感はないが、来年に向けても引き続き注目して行きたい一人。

(2012年 秋季リーグ戦)



(どんな投手?)

 先輩の近田 怜王(ソフトバンク)投手を、一回り小さくして、スケールダウンさせたようなタイプの投手。ただ先輩譲りのマウンド捌きの良さと、ビシッとした球を投げ込む実戦的な左腕だ。

(投球スタイル)

 オーソドックスフォームから、常時130~MAX135キロの速球は、ビシッとキャッチャーのミットに突き刺さる。カーブと横滑りするスライダーとのコンビネーション。

 右打者には、両サイドを突くピッチングスタイルだが、左打者には、やや制球がアバウトになる。牽制は鋭く、フィールディングもまずまず、ただクィックは1.3秒台とあまり上手くないようだ。ただマウンド捌きは洗練されていて、野球センスに優れたタイプの好投手だ。

(今後は)

 高卒プロのようなスケールはないが、大学・社会人と総合力を引き上げて、実績を残せば、即戦力左腕としてマークされる可能性も秘めているだろう。

 現状、これといった武器はないが、大学や社会人でも、将来的に活躍が期待される楽しみな投手。今後も末永く見守って行くことになりそうだ。

(2009年・センバツ)

 
山田 和也(筑波大)投手
177/73 右/左
(諏訪清陵出身)

(首都大学野球連盟)

 
ワインドアップから振りかぶって投げる本格派で、中背ながら常時130~135キロ級の球を投げ込む速球派です。噂では、MAX145キロまで到達したとも言われますが、それほどスケールを感じさせるタイプではありません。

 少しシュート回転する球筋に加え、カーブ・縦横2種類のストレートに、ツーシームなどもあるそうです。シュート回転する球を意識的に投げているのか、そうでないのかの見分けは難しいのですが、縦に切れ込むスライダーには、中々の威力があります。フィールディング・牽制などもまずまずで、野球センスもあるのだと思います。

 課題は、やや甘いところに入って来る球が多いのと、甘くない球でも痛打される球の見やすさにあるようです。球威・球速を更に増すこともさることながら、制球力・縦系の変化にも磨きをかけたいですね。

 タイプ的には、昨年の甲斐(東海大三)と言うよりは、林(松商学園)投手に近いタイプだと思います。北信越を代表する右腕に育つ可能性もあり、2009年度注目の一人だと思います。

(2008年 夏)

 
櫻井 義之介(日体大)投手
185/83 右/右
(金沢高出身)

(首都大学野球連盟)


 
まだまだ身体を生かしきれていないが、来年に向けて楽しみな大型右腕。ノーワインドアップから常時130~135キロのストレートに、100キロ前後のカーブ・115キロ前後のスライダー・チェンジアップ、120キロ強のフォークなど、かなり多彩な変化球を持ち合わせる。大型ながら、クィックなどは1秒強ぐらいと極めて高速で、意外に起用なところも魅せていた。

 右打者には、アウトコースに速球も変化球も、きっちり集める制球力があるのだが、左打者には、まだまだ枠に球を集めるだけといった程度。高めに甘く浮く球を痛打される場面が目立った。

 こういった身体を持てあまし気味な投手が、僅か来夏までの一年間と云う短い期間で一変するような成長を遂げることは稀であり、この投手も高校の間に、何処までその資質を伸ばせるかは微妙だろう。しかし現時点でもMAX135キロぐらいまで到達しており、高卒即プロには、よほど一冬超えて化けないと厳しいだろうが、緩やかな曲線で、長い目で見守って行ける楽しみがある選手。じっくりとその成長を見守ってみたいと思わせてくれる選手でした。

(2008年 夏)


 
景山 貴也(大東文化大)投手
175/74 右/右
(米子松蔭出身)

(首都大学野球連盟)

 
 140キロ台中盤の勢いのある速球は魅力で、下級生の時からその潜在能力は高く注目されてきた。

 
西宮 悠介(横浜商科大)投手
180/80 左/左
(佐野日大出身)

(神奈川大学野球連盟)



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岩貞 祐太(横浜商科大)投手
182/75 左/左
(必由館出身)


(神奈川大学野球連盟)

 
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小野 和博(桐蔭横浜大)投手
180/78 右/右
(磯原出身)

(神奈川大学野球連盟)

 
 昨秋あれよあれよ強豪校を撃破し、神宮大会を制した原動力になった優勝投手。しかしこの春は、昨秋ほどの隙無しの完璧な投球ではなかった。それでも全国大会に駒を勧め、その片鱗を感じさせる内容で、大学球界を代表する好投手であるのは間違いない。

(投球内容)

 ノーワインドアップから、常時135~140キロぐらいと、驚くような球威・球速はありません。ただこの選手、短いイニングならば常時140キロ前後~中盤ぐらいは出せる能力を秘めています。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップと織り交ぜ、コンビネーションで相手を討ち取ります。特に両サイドや低めにボールを集めて、打たせて取るのが持ち味。また三振が欲しい場面では、ボールになるスライダーを振らせてピンチを凌ぎます。球速はそれほどでもないのですが、ピュッと手元で来る感じして、思ったよりも差し込まれる感覚に陥ります。

 牽制も鋭く、クィックも1.1秒前後まずまず。フィールディングも冷静で、的確にボールを処理します。けして凄みのある投球はしませんが、社会人でも早い段階から活躍できそうな選手で、更にワンランク・ツーランクボールに厚みが出てくると、2年後は即戦力候補としてドラフトでも期待されるでしょう。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 地面に向けて引き上げた足を伸ばすので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種は適しません。「着地」までの粘りはソコソコで、体を捻り出す時間は確保。そういった意味では、カーブやフォークといった球種以外で、ピッチングの幅を広げてゆくことは期待できます。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面捉えられており、ボールも低めに集まります。「球持ち」もまずまずで、指先の感覚にも優れていそう。コントロールに関しては、上のレベルでも通用するでしょう。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻が落とせない割にカーブは使ってきますが、それほど頻度は高くないので悲観することはなさそう。振り下ろす腕の角度に無理はないので、肩への負担は少なそう。そういった意味では、力投派でもないので、体への負担は少ないのではないのでしょうか。それでも秋のリーグ戦では万全じゃないようなので、故障には充分注意して取り組んで欲しいものです。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りはそれほどないので、体の「開き」も平均的。それほど威圧感やイヤラシさがあるわけではないので、コースを間違えると痛手を食うでしょう。

 腕は体に巻き付くように振られており、速球と変化球の見極めは難しいはず。特にボールゾーンに切れ込む、スライダーを振らせるのが上手いです。ボールへの体重の乗せがそれほどでもないので、打者手元までは伸びますが、球威はそれほどでもありません。

(最後に)

 最終学年に、昨秋のようなピッチングを魅せてくれたら、ひょっとしたら指名してくる球団が出てきたかもしれません。しかし春は、本来のピッチングほどではなく、この秋は充分な登板を続けられていません。社会人で無事立て直し、更に成長を遂げてゆくようだと、2年後のプロ入りも期待できます。まずは社会人で、その力を魅せて欲しいと思います。

(2013年 大学選手権)



 球速は秋と変わらず、常時135~後半ぐらい。ただこの球速以上に感じさせるボールの勢いがあります。しかしながら今日は、そのストレートが高めに抜けることが多かった気がします。

 ただ日本一の経験は大きかったのか、すでにマウンドではこうやれば打ち取れるというコツを掴んでいる投手であり、自信を持って投球しているのがわかります。ポンポンとテンポよく、スライダー・チェンジアップも織り交ぜ、試合を作って行く上手さは、さすがだと感じます。

 ドラフト候補かと言われるとそんな感じはしませんので、社会人などに進んでゆくタイプではないのでしょうか。実はこの投手、昨年の初観戦の時にも、青学戦で観戦しました。当時は下級生までの実績も乏しく無名の選手。それでもMAX88マイル(140.8キロ)のストレートを投げていたので、暖かくなれば140キロ台中盤を連発する速球派だと思いました。しかしシーズンでも球速は変わらず、春はリーグ戦大活躍。秋は、そのまま日本一に。そんな選手のシーズン開幕の登板を見れたのは、ちょっと感慨深いものがあります。すべては、あそこから始まったのかと思うと。

(2013年 オープン戦)

 
 
小荒田 大樹(神奈川大)投手
180/76 左/左
(鹿児島実出身)

(神奈川大学野球連盟)


 130キロ位の ストレート 何より スライダーの切れと コントロールの良さが 特長です。

(2009年春・左馬之助氏)

 
 
石川 清太(関東学院大)投手
181/73 右/右
(興南出身)

(神奈川大学野球連盟)

 
 沖縄の興南高校出身の選手で、常時140キロ台~MAXで144キロぐらいでしたかね? 結構勢いのあるストレートとスライダーをポンポンと投げ込んできます。高校時代は、もっとガッチリした体型だった気が致しましたが、今日みたら意外に投手体型だったのにビックリ。こちらは、来年のドラフト候補として覚えておきたい一人。

(神奈川大学選抜 VS JX-ENEOS)



 (どんな選手?)

 1年生頃からマウンドに上がり、将来を嘱望されておりましたが、故障のため投げ方も変わってしまいました。今は、強烈な打球を放つ強打者として存在感を示している選手です。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.5秒強ぐらい。左打者換算にすると、4.2秒強ぐらいと基準レベルに近い。ただ沖縄予選5試合でも、盗塁は0ということもあり、足を売りにするプレースタイルではないようだ。

 右翼手としては、正直あんまり印象がないのだが、今でも投手としては135キロ級の速球を投げ込めることからも、それなりの強肩なのだろう。ただ動作の切り返しが俊敏だとか動きに鋭さがあるタイプではないので、キャッチング・打球への反応はどうなのかな?と言う疑問は残る。

 少なくても走力・肩のポテンシャルはあるものの、それほどアピール度の高いものはなさそうだ。

(投手としては)

 投手としては、135キロ強ぐらいのストレートに、カーブ・スライダーなどを投げ込んで来るオーソドックスな投手。制球もとりあえずストライクゾーンに球を集めるといったタイプで、それほどセンスや繊細さがあるタイプではない。もし故障なく順調に育ったとしても島袋のような実戦派ではなく、馬力で押すタイプの投手にしか育たなかっただろうなと言う印象は残る。

(打撃内容)

 元々肉体のポテンシャルのある選手なだけに、当たった時の打球は強烈だ。豪快に引っ張る打撃が得意かと思いきや、結構センターや右方向など広角に打ち返す打撃も目立つ。

 ただヘッドスピードはまずまずなのだが、ボールを的確に捉えるミートセンスはもう一つで、上のレベルでは対応力で苦労するかなと言う印象も受ける。

(今後は)

 野手として、野球を続けることにはなると思うが、上のレベルでは結構苦労するんじゃないかなと思う。広角に打てる打撃の広さは持っているので、ボールを的確に捉える術を磨くことが、大成への鍵かと。大学あたりで実績を残し、社会人ぐらいまで野球を続けて欲しい選手でありました。

(2009年・夏)



 135キロ級の速球に鋭いスライダーを投げ込んでいたが、地元の方の話だと故障して投げ方がおかしくなったとのこと。

 確かに今日見た限り、3番で強い打球を打てる強打者としての方が将来性がありそうだ。強肩・強打の外野手として注目される存在だが、今日みた感じでは線が細いかなと言う印象が残った。

(2009年・春季九州大会)

 
山下 大輝(常葉大学浜松キャンパス)投手
176/77 右/右
(飛龍出身)

(東海地区大学野球連盟)

 
 140キロ台を記録する選手として、東海地区では密かに話題になっていた投手です。この投手確か、鬼屋敷正人(近大高専-巨人)捕手を飛龍のグランドで見た時に、対戦投手で投げていたのが彼だったのではないかと、薄ぼんやり記憶しています。しかし今年は、中々観戦機会に恵まれず、夏の東海地区大学選抜VS巨人戦まで、その雄姿を確認することができませんでした。

(投球内容)

 体格も中背で、少し担いで投げるようなスリークオーター。球速は135キロ~MAX89マイル(142.4キロ)まで記録し、結構140キロ台を私のガンでは計測していました。しかし球速ほど、ボールに勢いは感じられず、個人的には物足りない印象は否めませんでした。変化球は、スライダーやシンカーなど。ただ投球にリズム感やメリハリが感じられなかったものの、コースを突くストレートで三振を奪っていました。

 牽制はそれほど鋭いものは魅せませんでしたが、クィックは1.05~1.15秒と基準レベル。「間」を使ったり、微妙な駆け引きで勝負したり、スピードに強弱をつけるといったことはなく、テンポよくボールを投げ込んで来るタイプだと思います。適度にまとまっていて大崩れしなそうなタイプですが、投球のインパクトは物足りません。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は一塁側に落ちません。そういった意味では、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に大きく落ちる変化球の修得には向かないと思います。ただ「着地」までの粘りは悪くないので、そういった球種以外ならばピッチングの幅は広げて行けるのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられ、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも深く地面を捉えており、あまりボールを上吊る心配もなさそう。ただストレート全体は、観戦日はやや高かった記録があります。「球持ち」も悪くなく、指先の感覚にも優れていそう。制球を乱してということは、あまりなさそうな投手です。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻は一塁側に落とせませんが、カーブやフォークなどを投げないので、悲観する必要はないでしょう。また振り下ろす腕の角度にも無理がないので、肩への負担も少なそう。そういった意味では、故障の可能性は低いのではないのでしょうか。

<実戦的な術> 
☆☆☆☆

 「着地」までの粘りは悪くなく、体の「開き」も抑えられています。そういった意味では、打者にとっては合わせやすいフォームではないでしょう。

 腕もしっかり体に絡みますので、変化球との見極めも難しはず。ボールへの体重の乗せは発展途上ですが、けして悪くはありません。

(最後に)

 こうやって見ていると、体格・ボールには凄み・絶対的な武器は感じません。しかしフォームは実戦的で、けして合わせやすくはないはず。コントロールも安定し、故障の可能性も低いなど、推せる材料も少なくありませんでした。ドラフト候補といった感じはしませんでしたが、適度なまとまりからも、比較的早い時期から実戦登板できるのではないのでしょうか。更に実戦力を磨き、社会人で活躍して欲しい投手です。

(2013年・プロアマ交流戦)

 
山岸 大輝(日大国際関係学部)投手
183/82 右/右
(流経大柏出身)

(東海地区大学野球連盟)

 
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水越 太一(愛知大)投手
178/79 左/左
(一宮南出身)

(愛知大学野球連盟)


 キレのある130キロ台後半のストレートとスライダーで、三振の山を築く実力派。

 
 
萩原 大起(愛知学院大)投手
180/80 右/右
(常葉菊川出身)


(愛知大学野球連盟)


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内藤 久文(四日市大)投手
177/77 右/右
(豊川出身)

(東海地区大学野球連盟)


 
140キロ近い球で、コースを突く丹念なピッチング。

 
東谷 優(中部学院大)投手
173/73 右/右 
(花咲徳栄出身)

 
 大学選手権では1回戦で破れたものの、8月のジャイアンツとの交流戦では、6回2安打・無失点に抑える好投を魅せました。東海地区を代表する好投手で、テンポの好い投球で小気味良く組み立ててきます。球速は、大学選手権では常時140キロ前後~MAX144キロ。見た目はさほど威圧感のあるボールは投げませんが、ボールの伸びは悪くありません。カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、ジャイアンツ戦ではチェンジアップが効果的でした。

 クィックは、1.15秒前後と平均的で、牽制もそれなりといった感じ。しかしマウンド捌きは洗練されており、野球センスに優れたタイプ。コントロールも外角中心に集められますが、時々甘い球が見られます。投手としては、すでに出来上がったタイプとの印象を受けます。

(投球フォーム)

 ノーワインドアップから、結構勢いよく高い位置まで足を引き上げる、躍動感ある入りで投げ込んできます。

<広がる可能性> 
☆☆☆☆

 引き上げた足を高い位置でピンと伸ばすので、お尻は一塁側に落ちます。カーブで緩急を効かしたり、フォークのような縦の変化球も苦になく投げられます。「着地」までの粘りも悪くなく、体を捻り出す時間を確保。いろいろな変化球を身につけられる投げ方で、投球の幅を広げて行けそうです。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定。ただ足の甲での地面への押し付けは遅いので、ボールが高めに抜けそうなものですが、実際にはそうでもありません。「球持ち」もそれなりですが、指先の感覚には優れていそう。ストライクを先行させ、有利な状況で勝負できるタイプです。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻を落とせるので、カーブやフォークといった球種を投げても無理がありません。そのため、肘への負担も少ないと考えられます。腕の角度はスリークオーターで、腕の送り出しにも無理は感じません。そういった意味では、肩への負担も少なそう。力投派でもないので、比較的故障の少ないフォームだと考えられます。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りはそれなりで、体の「開き」も早くはありません。打者としては、それほど苦になるフォームではありませんが、合わせやすいというほどでもないはず。

 振り下ろした腕が、もう少し体に絡みつくように振れると、もっと変化球が生きてきそう。ボールへの体重の乗せも平均的で、打者の手元までの勢いや球威は平均的でしょうか。

(最後に)

 ジャイアンツ戦で魅せた投球は、ほとんど隙がありませんでした。大学選手権では足場も悪く、コントロールミスもあり失点につながったように思います。ドラフト候補云々の投手ではありませんが、社会人でも1年目から主戦レベルの活躍が期待される完成度。一体どんな活躍を魅せてくれるのか、今から非常に楽しみです。

(2013年 ジャイアンツ交流戦)

 
岡安 剛志(朝日大)投手
179/68 左/左
(大垣商出身)

(東海地区大学野球連盟)

 
 高校時代は技巧派左腕と評判だったが、現在は荒削りながらMAX143キロを記録するまでに成長。



 昨年の大垣商の4番エースだった選手です。2年秋に市岐商を倒したときは投打に活躍しました。

 3番手として5回から登板し、3イニングを3安打1失点という内容でした。高校時は球威・球速がそれほどなく(120後半)、ストレートにスライダーやシンカーでコースをつく投球でした。高校のときとそれほど投球内容は変わりませんでしたが、打ちにくさや制球の良さといった持ち味がよく出ていました。この日の最速は132でした。

(2010年4月 Kimi氏)

 
長谷川 潤(金沢学院大)投手
185/72 右/右
(成立学園出身)

(北陸大学野球連盟)

 
 この選手、出身は東京の成立学園で、高校時代何度か取り上げたことのある選手。背番号9をつけて、マウンドに上がっていました。

 かなりサイドに近いスリークオーターで、右打者の背中越しから来る独特の球筋は、右打者には厄介な代物。今日は、サードゴロを村田がはじき、センターに詰まったあたりがセンターの判断悪くポテンヒットなど不運な一面もあり、ランナーを貯めたところでガツンと打たれて5失点。球速は、135~後半ぐらいで、驚くようなキレや勢いはありません。

 ただスライダーは大きく曲がるので、右打者殺しとしては効果的。その証に、2イニング目はあっさりと抑えました。ややこのメンバーに入ってしまうと、力の差を感じてしまう内容でしたが、ストレートがコンスタントに140キロ台乗って来るようだと楽しみだとおもいます。ただ現状は、来年のドラフト候補になるとは言えないでしょう。

(2012年 平塚合宿)



 成立学園の長谷川潤(3年)投手も、中々面白い選手です。185/82の体格を生かして、今日は5番・右翼手として出場。小野田の内角低めの速球を、火の出るような強烈な打球で打ち返したりと資質の高さを感じます。

 プレーへの姿勢も良く意識の高い選手です。フェンスに直撃しながらのファインプレーも魅せ、痛みをおしながらも全力疾走でベンチに戻って来るなど気迫溢れるプレーヤーです。投手としても右のスリークオーターで、大体135~140キロぐらいの速球に、カーブ・スライダーなどを織り交ぜてきます。

 球が見やすいのか、二松学舎の打線に打ち込まれておりましたが、速球には馬力を感じさせる投手でした。MAXで91マイル(145.6キロ)を記録するなど、アベレージではまだ出せませんが、将来的には、このぐらいの球を常時出せるポテンシャルはありそうです。ただ投手としては、結構ムラッ気があって、速い球も投げられそうにはなりそうですが、性格的には野手向きだと思います。

 強肩・打球の強さは間違いないですし、意識も高い選手なので、まだまだ伸びて行ける存在ではないのでしょうか。まだ名前は殆どあがっていない選手みたいですが、持っているものは素晴らしい選手です。高卒プロは難しそうですが、ぜひ将来に向けて覚えておいて頂きたい選手でした。

(2009年 春季東京大会)

 
工藤 悠河(立命館大)投手
179/74 右/左
立命館慶祥出身)


(関西学生野球連盟)

 
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余語 充(立命館大)投手
175/77 右/右 
(愛工大名電出身)


(関西学生野球連盟)


 同じ3年生の工藤 悠河 と共に、春は立命館の2枚看板として活躍。春のリーグ戦では、7試合 4勝2敗 防御率 0.83(リーグ2位)の好成績で、チームを大学選手権に導きました。

(投球内容)

大学選手権では、龍谷大戦に先発するも、僅か2イニングで降板。Max147キロを誇ると言われていましたが、東京ドームでは135~MAX141キロぐらいで、力で押す投手との印象はありません。

変化球は、スライダーと落差のあるチェンジアップが武器。ただボールが高めに甘く入ることが多く、龍谷打線は見逃しませんでした。牽制・フィールディングなどもまずまずで、凄みよりも、まとまりの好投手タイプといった感じです。

(投球フォーム)

<広がる可能性>

引き上げた足をやや地面に向け二塁側にも送っているので、お尻の一塁側への落としは深くありません。そのためカーブで緩急を効かしたり、フォークのような縦の大きな変化は期待できないタイプ。それでもチェンジアップが落差があるので、その代用にはなっています。着地までの粘りは平均的で、ある程度の球種は扱えるようと思いますが、今のままだと絶対的なキレを望むのは厳しいかもしれません。

<ボールの支配>

グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは出来ています。ただ足の甲の地面への押しつけが浅く、ボールが上吊りやすいのが課題です。

<故障のリスク>

お尻の落としは甘いのですが、カーブやフォーク、シュート系などを投げないので、肘への負担は少ないはず。腕の角度にも無理はなく、それほど力投型でもないことを考えると、身体への負担は少なそうなフォームです。

<実戦的な術>

着地までの粘りは平均的なのですが、身体の「開き」も並ぐらい。フォームに、とくに嫌らしさもなければ、凄みもありません。

気になるのは、振り下ろした腕が意外に身体に絡まないなど、フォームに躍動感がないところ。これだと変化球も、あまり振ってくれないのではないかと思います。またボールへの体重の乗りもイマイチで、あまり打者の手元まで活きた球が行きません。

(最後に)

現状、関西によくいる好投手の一人いった感じで、来年のドラフト候補といった感じではありません。実戦派を目指すならば、細部へのこだわりがもう一つ。力投派で行くのには、迫力不足の感は否めません。社会人には進むと思いますが、今のままでは埋もれてしまうかなという印象。最終学年に向け、現状に満足することなく、更に上を目指して欲しいと思います。

(2012年 大学選手権)

 
 
小出 智彦(近畿大)投手
181/74 左/左
(愛知啓成出身)

(関西学生野球連盟)

 
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岩橋 慶侍(京都産業大)投手
185/75 左/左 
(京都すばる出身)

(関西六大学野球連盟)

 
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山田 和毅(京都産業大)投手
172/69 左/左
(紫野出身)

(関西六大学野球連盟)

 
 抜群の安定感が売りの左腕で、130キロ台のストレートとスライダーのコンビネーション。

 
近藤 大亮(大商大)投手
178/67 右/右
(浪速出身)

(関西六大学野球連盟)

 
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白濱 尚貴(京都学園大)投手
178//66 左/左 
(明豊出身)


(京滋大学野球連盟)


(どんな選手?)

 それほど上背はないのですが、手足の長い投手体型を活かし、左サイドから繰り出す独特の球筋に特徴がある投手です。明豊時代は、今宮健太(ソフトバンク)とチームメイトでした。今春のリーグ戦では、4勝1敗 防御率 0.92と安定した成績。

(投球内容)

 左サイド独特の球筋を活かし、コンスタントに135~MAX139キロのストレートを東京ドームで記録。恐らくこれが神宮だったら、140キロ台連発の投球だったと思われます。ただその球速表示以上に、打ち難さを活かした投球が自慢。変化球は、スライダーとのコンビネーションで、それほど細かいコントロールもないのですが、相手からすれば球筋に馴れるまでは厄介な存在なはず。

 牽制は、左投手ですが鋭いものは観られません。ただしっかりランナーを目で牽制してから投げ込みます。フィールディングの動きはまずまずも、クィックはモーションが大きいだけに1.2秒台でも後半とやや遅くなってしまいます。マウンドセンスなどは悪くありませんが、細かいコースの投げ別けが今後の課題でしょうか。

(今後は)

 球の出所がわかり難く、左打者からは背中越しから来るような独特の感覚に陥ります。この手のタイプにしては、球速・球の勢いはそれなりなので、もう少し制球力が磨かれたり、シュート系の球種を身につけて投球の幅を広げたいところ。左サイドから140キロ台を記録し、細かいコントロールがつくようになれば、将来はドラフト候補として名前が浮上する日も遠くはないかもしれません。志しを高く持って、課題の克服に努めてもらいたいものです。

(2011年 大学選手権)

 
 
藤谷 修平(天理大)投手
182/78 右/右
(玉野光南出身)

(阪神大学野球連盟)

 
 高校時代は、130キロ台のストレートにスライダー・フォークを交えた安定した投球が自慢。大学進学後球速を大幅に伸ばし、3年秋には6勝をあげリーグ3位の好成績。

 
石田 龍平(関西国際大)投手
177/70 右/右
(市立西宮出身)

 
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森原 康平(近大工学部)投手
185/81 右/右
(山陽出身)

(広島六大学野球連盟)

 
 中国地区では、以前から話題の投手でした。昨秋は、7勝1敗 防御率 1.06 で最優秀防御率に。今春も 4勝1敗 防御率 1.37(リーグ1位)で、最優秀防御率に、自身2度のベストナインを獲得し、チームを全国大会に導きました。

(投球内容)

 メジャーリーガーのように、突っ立った感じで投げるフォーム。立ち上がりは135キロ出るか出ないかぐらいで、制球も不安定で正直かなり物足りなく感じました。しかしイニングが進むにつれ球威・球速を増し、コースに130キロ台後半の球威のある球を投げ込むようになってきました。打者の空振りを誘うようなキレや伸びはなく、球威で相手を詰まらせる球質。変化球は、縦・横二種類のスライダーとカーブでしょうか。

 牽制はかなり上手く、クィックも1.0秒前後で高速。フィールディングは平均だと思いますが、投球以外の部分にも優れた選手です。マウンド捌き、投球術などもそれなりで、凄みはありませんが適度にまとまった投手との印象を受けます。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は一塁側には落とせません、そういった意味では、カーブで緩急を効かしたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種は適しません。その代わり、負担の少ない縦スラで代用しようとしています。

 また「着地」までの粘りがなく、あっさり地面を捉えてしまうのも気になります。これでは充分体を捻り出す時間が確保できないので、キレのある変化球や曲がりの大きな変化は期待し難いのではないかと考えます。武器になるほどの球がないので、今後はもう少し粘りを作って、ピッチングの幅を広げて行きたいところ。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定。足の甲の地面への押し付けが甘く、ボールは全体的に高めです。ただ「球持ち」はまずまずで、指先の感覚は良さそう。立ち上がりを除けば、四死球で自滅するタイプではなさそう。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻を落とせない割に、カーブは結構使ってきます。そういった意味では、少し肘への負担が気になります。ただ振り下ろす腕の送り出しには無理がなく、肩への負担は少ないのでは。いずれにしても、故障には充分注意して取り組んで欲しいと思います。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りがないので、打者としては苦にならないフォーム。その割に、体の「開き」は抑えられている珍しいパターン。腕の振り下ろしは体に絡んで来るので、速球と変化球の見極めは困難。前に踏み込んだ足が突っ張ってブロックしてしまい、上手く前に重心移動が出来ていません。そのため打者の手元まで、勢いのある球が投げられないのではないのでしょうか。

(最後に)

 大学からプロに行くような、圧倒的なポテンシャルは感じません。しかし地元中国地区の社会人チームなど、野球を続けて行ける力はありそう。そこでもう一皮むけるようだと、2年後はドラフト候補として話題になりそうです。課題を克服して、ぜひプロの世界を意識できるまでの成長を見届けてみたいと思います。

(2013年 大学選手権)


春木 良太(広島経済大)投手
177/79 右/右
(開星出身)

(広島六大学野球連盟)

 
 
 開星時代から好投手として知られ、140キロ台の速球を武器に活躍。

 

高野 圭佑(四国学院大)投手
177/72 右/右 
(呉工出身)


(四国地区大学野球連盟)

 
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阿部 雄也(九州大)投手
177/79 右/右
(八幡出身)

(九州六大学野球連盟)


 チームの絶対的なエースで、3年秋のリーグ戦では 防御率 1.38 で最優秀防御率に。140キロ台のストレートに、多彩な変化球で三振が奪える実力派。

 
 
新西 貴利(九州産業大)投手
179/78 右/右
(都城商出身)

(福岡六大学野球連盟)



(どんな選手?)

 春季九州大会で見た時は、125~130キロぐらいの普通の投手といった感じで、それほど印象に残っていない選手でした。この夏の予選中に、140キロ台の球を投げ込むと聞いて、にわかに信じがたいなと思っておりましたが、確かに甲子園でも勢いのある球を投げ込んでいて、正直驚かされました。

(どんな選手?)

 ノーワインドアップから、バランスの良いフォームで投げ込んで来ます。テンポの良さを意識して、常時135~MAX145キロの速球を投げ込み、体重が乗った時の球は、グワ~ンと打者に向かって迫力のある球を投げ込んできます。

 変化球は、カーブ・スライダーとオーソドックスであり、フォーム同様に、それほど特徴的なものはありません。クィックは、1.2~1.25秒ぐらいと基準レベル・フィールディングなどの動きなどをみると、それほど上手い方ではないように思えます。

 マウンド捌きもテンポの良さは感じますが、それほど「間」を上手く調節したりする上手さは感じられず、淡々と投げてくる感じの投手でした。ただ勝負どころで、ズバッと良いところに決める爽快感はあり、制球・投球術などにも適度なまとまりは感じられます。

 右打者には、安定して外角に球が集められますし、適度にインハイに見せ球も投げられるなど縦の変化はありませんが、コントロールは良いです。左打者には、変化球が高めに浮いたりとアバウトで、左打者への攻めが、今後の課題でしょうか。

(今後は)

 それほど威圧感のないフォーム・左打者への制球・武器になる縦の変化など、まだまだ投球全体に物足りないものは感じます。しかしフォームに悪い癖もありませんし、しっかりアウトコースで投球を組み立てられる基礎力のある選手です。

 大学・社会人に進んでも、ある程度早い時期から実戦で投げられる基礎力はある選手だと思います。もうすでにそれなりのレベルに達しているので、強豪大学などに進んで、どんどん自信と経験を積んで、投球レベルを進化させて欲しい選手でした。今後の成長が、楽しみな1人ではないのでしょうか。

(2009年・夏)



 MAX142キロと言われる投手だが、常時125~130キロ強のストレートとスライダーのコンビネーション。投げ終わった後のバランスの悪さが課題だが、勝負どころでズバッと好いところに決める。

(2009年・春季九州大会)

 
 
矢野 公嗣(福岡工業大)投手
173/68 右/右
(福岡魁誠出身)

(福岡六大学野球連盟)


 小柄ながら、140キロ前後の速球に小気味の良い投球で安定感。3年秋のリーグ戦でも 防御率 1.52 で2位に。

 
 
大瀬良 大地(九州共立大)投手
186/82 右/右 
(長崎日大出身)


(福岡六大学野球連盟)

 
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福倉 健太郎(第一工業大)投手
179/72 右/右
(鹿屋中央出身)

(九州地区大学野球連盟)

 

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この投手は下級生の頃に見たことがあるんですが、バランスの取れたフォームと、しなやかな腕の振りから繰り出す直球に高い将来性を感じていました。

 今では148キロをマークするようになったと言われ、昨日のルーテル学院戦では150キロを計測したスカウトもいたそうです。

(2009年春・薩摩氏)

 
浦塚 翔太(日本文理大)投手
175/76 右/右
(日田林工業出身)

(九州地区大学野球連盟)



 MAX154キロを投げると噂の投手でした。154キロはともかく、福岡ドームのスピードガンでも常時140キロ台~MAX146キロのストレートを投げ込み、たまに力のあるところを魅せました。

 変化球はスライダーとのコンビネーション。しかし制球が定まらないところ、監督がオカンムリのあっという間の降板となりました。しかし問題はここからで、福岡ドームのスピードガンは、私のガンと比べると平均して4~8キロぐらいは速く表示されるガンであり、実はこの投手のMAXは1球88マイル(140.8キロ)を記録したのみで、あとは130キロ台だったということ。今の文理大の投手の中では最も速い球を投げていましたが、言われているほど驚くような速球派ではないということは確かなようです。

(2011年 九州神宮大会代表決定戦)



(どんな選手?)

 この試合を見るまで知らない投手でしたが、MAX141キロを記録した投手との話です。実際試合を見てみると、非常に力強いボールを投げる投手で、とても印象的な投手でした。

(投球内容)

 中背ですが、ガッチリした体格の投手です。投げ込まれる速球の一球一球が、実に力強く本物の速球を投げ込んでくる投手です。球速は135~140キロぐらいですが、もっと力強く感じられます。変化球は、カーブ・縦・横2種類のスライダーが持ち味であり、その球を打者の内外角に集められる制球力もあります。

 三振の多くは、自慢のストレートで奪うので、もう少し変化球で取れるようになると好いですね。クィックは、1.2~1.3秒ぐらいと、それほど素早くありません。ただマウンド捌き・制球力・組み立てなどに破綻もありませんし、非常に好い投手でした。

 投球フォームは、少し前から体が入って行く感じのフォームなので、お尻は一塁側に落とせませんが、地面に着きそうなところから、足を上手く前に逃がすことで着地を遅らせることができております。

 グラブもしっかり内に抱えられているので、両サイドの制球力も安定しやすいのですが、少し足の押し付けが地面に引っかかるので、球が高めに浮き気味です。

 「開き」「球持ち」も平均的ですし、「体重移動」「着地」も良く、結構実戦的なフォームです。実際の球、フォーム技術共に、バランス良く兼ね備えた実力派です。

(今後は)

 これだけの投手ならば、正直もっと話題になっても好いかなと思います。きっと何処かで野球を続けてくれる選手だと思いますし、地方大学などでは早い段階から頭角を現すだけの力があるのではないのでしょうか。

 これは、意外な掘り出しものといった感じで、また何処かで、その成長をぜひ見てみたいと思わせてくれる選手です。まだまだ知らない選手の中にも、好い投手はいるのだなと改めて思わせてくれる投手でした。

(2009年・夏)


 






大学4年生 野手編



山川 穂高(富士大)外野&一塁
175/98 右/右 
(中部商出身)


(北東北大学野球連盟)

 

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天願 陽介(富士大)外野
170/72 右/左
(八重山商工出身)

(北東北大学野球連盟)

 

 大学選手権など、全国の舞台でも活躍。試合を決定づける、勝負強さが自慢。

 
 
川村 悠真(岩手大)外野
168/68 右/左
(花巻東出身)

(北東北大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

小柄なんですが、ガッチリした体格の持ち主で、逸材揃う花巻東打線でも3番・遊撃手を任されている好守の要的な存在です。

(守備・走塁面)

残念ながら、一塁までの走塁は計測出来ず。新チーム結成以来の44試合で10盗塁と言うことで、動けない選手ではないようです。ただ上のレベルで足を売りにするような絶対的な脚力ではないようです。

遊撃手としては、ソコソコ動けるスピード感はあるのですが、少々フットワークが固く、肩も並レベルなので、上のレベルを意識すると二遊間は微妙かなと思いました。ただ三塁タイプでもないですし、将来的には外野もしくは二塁あたりが担えると良いのですが。

(打撃)

腰が据わった構えから、下半身がブレないのが良いです。力でセンターに運ぶように、上体も強く、上背はないのですがパワフルです。センターからレフト方向に逆らわない打撃も出来、スイングにもそれなりに強さを感じます。

それほどオーバーフェンスするようなスラッガーではありませんが、ツボにはまればスタンドインのパンチ力と公式戦4割台の対応力も兼ね備えた勝負強さが売りです。

(今後は)

大学などでも野球を続けて行ける選手だと思います。売りに出来る程ではありませんが、守備・走力もソコソコありそうですし、打力もある選手なので、総合力がありますので。今後は、何か自分の絶対的な売りを見出して行けることを期待しております。

(2009年 甲子園)

 
和光 翔平(青森大)外野
178/78 右/右
(横浜創学館出身)

(北東北大学野球連盟)

 
 三拍子バランスの取れたアスリート野手。

 
四家 祐雅(東日本国際大)右翼
177/80 右/左
(聖光学院出身)

(南東北大学野球連盟)

 
 5番打者として出場。昨年の春のリーグでは、2本 18打点 打率.514厘(リーグ2位)で2度目のベストナインに輝き、大学選手でも健在ぶりを魅せてくれました。しかし秋はイマイチだったのか、打撃成績の上位には見当たりません。

 高校時代は、打席での集中力を高く感じた選手。しかし今日は、試合に上手く入れていないなぁという印象を受けます。元々強打が売りで、打ってなんぼのタイプ。走力もなく、右翼手としても上手い部類ではありません。ただ肩に関しては、中の上以上のレベルにはあると言えるでしょう。

 しかし今日は、スイングが鈍い。これでは、四球・ファーストゴロ・セカンドゴロと結果が出なかったのは致しなかったというところか。売りの打撃でアピールできないと、総合力が低いだけに厳しい。園部がゲーム感覚が良いのとは対照的に、こちらはポテンシャルで圧倒するタイプ。そのため調子がよくないと、なかなか波に乗れない印象を受けます。もう少し頑張らないと、守備・走力がない分、社会人の道があるのかもも心配。ただ持っている打撃の潜在能力は、東北・北海道地区の大学生野手では、トップランクだけに復活を期待したいところ。


(2013年 春)




(どんな選手?)

聖光学院時代から、その強打は東北地区でも際立つものがありました。東日本国際大に進んでからも、主軸として活躍。今春のリーグ戦では、2本 18打点 打率.514厘(リーグ2位)と活躍。自身2度めの、ベストナインを獲得しました。

(守備・走塁面)

一塁までの塁間は、左打者ながら 4.5秒前後とかなり遅い部類です。そのため守備範囲も狭く、キャッチングなども含めると上のレベルで右翼手としては厳しい気も致します。ただ地肩は基準からそれ以上のものがあるので、返球に関しては悪くありません。左翼ならば、プロでも務まるのではないのでしょうか。

(打撃内容)

左オープンスタンスで構え、打席では高い集中力が感じられます。仕掛けは「平均的な仕掛け」を採用し、ある程度の対応力と長打力を兼ね備えた中距離ヒッター。ただボールを捉えたあとは、豪快なフォロースルーでボールを遠くに運べます。

<長所>

ある程度、始動~着地までの「間」が取れているので、速球でも変化球でも合わせやすい打ち方です。踏み込んだ足元もブレませんし、「開き」を我慢して低めや外角の球に食いついて行けます。リーグ戦でも打率.514厘をマークしたように、対応力と長打力を兼ね備えた勝負強さが自慢。

バット上からミートポイントまで振り降ろしてくるので、大きなロスがありません。更にボールを捉えてからも、大きな弧を描きつつ、フォロースルーを上手く取れています。ボール強く遠くに運べるスイングだと言えるでしょう。

目線も大きくブレませんし、身体の開きも我慢出来ています。軸足にも強さを感じますし、軸が動かないのが良いところです。ヘッドスピード・打球の速さにも光るものがあります。

<課題>

特に大きな欠点はありませんが、しいて言えば、少し打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れている気が致します。早い球に立ち後れないように、注意したいところ。

(最後に)

守備・走塁でのアピールが低いのが残念ですが、打つだけなら充分ドラフト級だと評価できます。大学生の中でも、ここまでバットを振れる選手は殆どおりません。守備・走力が足を引っ張らない程度に、それでいて打撃で勝負できる目処がつけば、来年は楽しみな存在ではないのでしょうか。アマでは貴重な、大型野手です。

(2012年 大学選手権)

 
園部 優也(東日本国際大)捕手
172/76 右/右
(東北出身)

(南東北大学野球連盟)

 
 172/76 と小柄な体格ながら、その割にあまりフットワークを生かすタイプではありません。高校時代から、手先だけでボールを捕るキャッチングがあまり好きにはなれませんでした。今でも体でボールを受け止めようとするタイプでもなく、ボールを押し込むようなシッカリしたキャッチングをする選手ではありません。

 ただいざとなると動ける身体能力はあるのと、ハンドリングやグラブの出し方は悪くないので、大きなミスはしません。イニング間練習ではさほど光るスローイング魅せませんが、実戦では捕ってからが素早く、この日も関東学院の二回の盗塁を刺していました。また少しでもリードの大きな走者をみつけると、すかさず送球し走者をはさみます。非常に試合勘がいい選手なので、実戦になると光るタイプ。プレースタイルは少しラフですが、所作などを見ていると、捕手らしいきめ細やかさはありそう。

 残念ながら観戦した3打席では、セカンドフライ・センターフライ・ショートゴロと打撃ではアピールできず。それでも四家を押しのけ4番に座っているのですから、打力はあるのでしょう(今日見る限り特別なものは感じませんでしたが)。実際に昨秋は、南東北リーグの首位打者であり、リーグ3度目のベストナインにも輝いています。プロという圧倒的なスケールはありませんが、社会人などに進んでプレーできる素材です。

(2013年 春)




(どんな選手?)

チームの4番・捕手を担う、まさにチームの要的な存在です。強肩・強打と好守にバランスが取れている選手でした。

(ディフェンス面)

構えた時に、どっしり感があって、投手には安心感を与えてくれる選手です。ミットを示して後に、余計にミットを下げないので、低めの球への対応にも立ち後れず、ワンバウンド処理などにも機敏に対応出来ます。ただ、テンポの良さを強く意識したリードをするのですが、座ったまま軽く返球したり、グラブ捌きに自信があるのか?小手先だけでボールを取りに行くなど、身体で制してやろうとか、動きたがらないプレースタイルには、あまり好感が持てません。そのためキャッチングも、グラブの押し込みが甘く、際どいコースへの判定にも影響しているのかな?なんて思います。

体勢を崩してでも、上手く立て直してストライクの返球でアウトにしたりと、スローイングは悪くありませんでした。地肩もまずまずですし、塁間2.05秒ぐらいのタイムでしたが、どんぴしゃなら2秒台を切って来るような能力はありそうです。捕手としての総合力はある選手ですが、上記に記したように、プレーに横着しないひたむきさを望みたいと思います。小手先でプレーする選手が、上のレベルで大成したのを観たことがありませんから。

(打撃内容)

スクエアスタンスで、前足をチョンとベース側に持って来てから、ちょっとだけステップする打ち方です。体重移動の「間」に乏しいフォームなので、打てるポイントが限られるタイプだと思いますし、本格的な始動が遅い仕掛けなので、一定レベル以上の投手への対応には苦労しそうです。ただ甲子園の倉敷商戦では、すべての打席で的確にボールをミートし、右中間にもスリーベースを放つなど、パンチの効いた打撃を魅せておりました。特に外角高めの球を逃さず叩く打撃が得意のようです。

(今後は)

高卒プロのような圧倒的なポテンシャルはありませんでしたが、攻守にバランスの取れたプレーヤーでした。強豪大学などに進んで、野球を続けて行ける素材だと思います。捕手として厳しく指導してくれる学校などに進み、その才能を磨いて欲しいですね。3,4年後は、ドラフト候補に育っていることを期待してみたい好選手でした。

(2009年 甲子園)

 
永田 恭一(東北福祉大)右翼
177/77 右/右
(花咲徳栄出身)

(仙台六大学野球連盟)

 
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勝又 稔生(東北福祉大)三塁
170/72 右/左
(飛龍出身)

(仙台六大学野球連盟)

 
 ミートセンス確かな打撃で、巧打を連発。

 
我妻 真太郎(仙台大)遊撃
180/75 右/右
(山形中央出身)

(仙台六大学野球連盟)


 
 3年秋には首位打者を獲得し、自身初のベストナインにも輝いた大型遊撃手。

 
遠藤 聖拓(東北学院大)捕手
175/77 右/右
(利府出身)

(仙台六大学野球連盟)

 
 三拍子揃った高い身体能力で、チームを支える好捕手。

 
三上 恭平(上武大)捕手
179/75 右/右
(桐生第一出身)

(関甲新学生野球連盟)

 
 塁間1.83秒で投げられる、捕ってから素早いスローイングは必見。ただ球筋が、ランナーが滑り込んで来るのと逆のショート方向に流れるのは気になる材料。またリーグ戦.370厘をマークした打撃も、この試合を観る限り特徴は感じられなかった。ただ179/75の体格にも恵まれ、来年に向けて気にしてみたい1人だった。

(2012年 大学選手権)


三木 亮(上武大)遊撃
175/75 右/右
(遊学館出身)

(関甲新学生野球連盟)

 
 
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小川 裕生(上武大)右翼
178/78 左/左
(八王子出身)


(関甲新学生野球連盟)

 
 いきなり三番を任される打撃は稲葉(日ハム)みたいな雰囲気。これだけの体格で、どちらかというと積極的なのかもしれないけど、脆く崩されたかの様な空振りは観せず、器用にバットコントロールしていけます。ラインドライブヒッターの資質を感じます。

 脚力は一塁駆け抜けの最速で4.07でしたが足を売り物にする程ではなさそうです。しかし大柄って速く見えなかったりするものなので、もうすこし脚力を観ていきたいです。

(2010年春・花菱パチェコ 氏)

 
辻 亮太(創価大)二塁
182/77 右/左
(京都外大西出身)

(新東京大学野球連盟)

 
 甘い球を逃さない強打と、大型の二塁手として注目される。

 
高野 翔(流通経済大)外野
173/69 右/右
(常総学院出身)

(新東京大学野球連盟)

 
 1年秋からレギュラーとして活躍し、三拍子バランスの取れたプレーヤー。

 
野中 祐也(国際武道大)二塁
172/68 右/左
(銚子商出身)

(千葉県大学野球連盟)

 
 遊撃手としての動きや地肩などは悪くなく、俊足が売りの選手。ただこの選手、ボールをいつもポロポロ落とすなど、キャッチングが不安定なのが気になる。打撃もそれほど光るものはなく、ドラフト候補となり得るのかは微妙な気がするのだが・・・。

(2012年 神宮大会)

 
藤島 翔太郎(国際武道大)右翼
176/76 右/左
(東海大浦安出身)

(千葉県大学野球連盟)

 
 強烈な打球が際立つ選手で、パンチの効いた打撃を披露。

 
薄井 貴史(中央学院大)捕手
180/84 右/右
(文星芸大附出身)

(千葉県大学野球連盟)

 
 旧チームから4番を打つチームの中心選手。守備面ではあまり目立ったところはありませんでした。バッテリーが警戒してほとんど内角のストライクゾーンに投げてこなかったこともあり、正直今日の結果だけではなんとも言えません。

 一打席目は2-3から大きく高めに外れる四球。二打席目は0-2から内角のカーブ(ボール球)に手を出してセカンドゴロ、三打席目は2-3からくさいところをカットして粘るも結局外のボールで四球、最終打席は0-2から内角低めでストライクを取った後、低めのスライダーが甘く入り、これをセンター前に運びます。ノーヒットノーラン阻止と最後に意地をみせました。薄井にしてみれば最後に甘い球がきた、打たれた野川としては、キャッチャーが内にかまえたのにスライダーが外から中に甘く入ってしまったので悔いが残る1球だったのではないでしょうか。

(2008年 kimi氏)

 
中嶋 啓喜(明治大)右翼
180/78 右/右
(桐蔭学園出身)


(東京六大学野球連盟)

 
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河合 完治(法政大)内野
175/75 右/左
(中京大中京出身)


(東京六大学野球連盟)

 
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木下 拓哉(法政大)捕手
182/86 右/右
(高知出身)

(東京六大学野球連盟)

 
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西浦 直亨(法政大)遊撃
178/73 右/右
(天理出身)


(東京六大学野球連盟)


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大城戸 匠理(法政大)外野
178/74 右/左
(寒川出身)

(東京六大学野球連盟)

 
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平原 庸多(立教大)外野
175/80 右/右
(帝京出身)


(東京六大学野球連盟)

 
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大野 大樹(早稲田大)外野
173/75 右/右
(早稲田実出身)

(東京六大学野球連盟)


 高校時代は、1番・遊撃手として活躍。俊足・巧打のしぶとさは健在。

 
 
嶺井 博希(亜細亜大)捕手
175/75 右/右
(沖縄尚学出身)

(東都大学野球連盟)


 
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中村 篤人(亜細亜大)右翼
178/74 左/左
(青森山田出身)


(東都大学野球連盟)

 
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二十八 貴大(中央大)内野
175/80 左/左
(岩国出身)

(東都大学野球連盟)


 強打が自慢の選手も、好不調の波が激しいのが惜しい。

 

影山 潤ニ(中央大)外野
173/68 左/左
(桐蔭学園出身)

(東都大学野球連盟)

 

 俊足・強肩の守備力には定評があり、ボールを見られる選球眼の良さも。

 
 
杉本 裕太郎(青山学院大)外野
188/80 右/右
(徳島商出身)


(東都大学野球連盟)

 
 188センチの大型で目立ちます。当たれば強烈な打球を放ちますが、大きすぎて内角の捌きが窮屈で脆いですね。腕が伸びるところでの打球は強烈で、右中間に球足の速い打球を飛ばしておりました。

 こういった大型野手を、大学や社会人は育てて行かないといけません。自分も技術論の時に、ロスのないスイングを提唱してしまうのですが、強打者にはボールを引きつけて、バットしならせるような後ろの大きなスイングを追求して欲しいとアマ球界には期待します。

(2011年 春季リーグ戦)



(どんな選手?)

 長身でスラッとした体型の投手です。球速は、MAX142キロと言われる速球と縦に落ちるフォークを武器にします。その体型・投球内容からも、高校の先輩・牛田成樹(ベイスターズ)の高校時代を彷彿させる投手です。

(投球内容)

 上背は感じさせますが、まだ体がビシッとできあがっていない投手です。角度こそ感じさせますが、その球速は常時130~135キロ程度に見え、それほど球威・球速は感じません。変化球は、カットボール気味なスライダー・カーブ・それに落差のあるフォークが最大の武器です。

 それほど球筋が安定しているようには見えませんが、ある程度外角に集められるコントロールあります。またマウンド捌き・制球などには大きな破綻はない選手です。大型ですが、けん制もまずまずで、クィックも1.1秒前後と高速。フィールディングも、思ったより動ける選手です。また打っても、チームの3番を担う強打者で、投球以外のセンス・能力もある程度兼ね備えた選手でした。

 ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。引き上げた足を空中でピンと伸ばす動作がないので、お尻の落としが少し甘いのと、「着地」までの粘りがないので、まだまだフォークの鋭さが物足りなく、ドロンとしています。ただグラブはしっかり内に抱えられるので、サイドへの制球力にも優れ、足の甲の押し付けもしっかりしているので、ボールが上吊ることはありません。

 「開き」「着地」「体重移動」と大きな課題を抱えておりますが、「球持ち」に関しては良い選手です。またもう少し腕を強く振る「鋭さ」や地面を強く蹴り上げるような躍動感がでてくると良いですね。

(今後は)

 まだまだ、筋力が圧倒的に不足しておりますし、体ができていない選手です。また、投球フォームの技術も未熟で、未完成な部分が目立ちます。それでもある程度の投球ができてしまう才能とセンスがある選手だけに、体ができた時に、どんな投手に育つのか楽しみではあります。

 体の芯に、ビシッとした「強さ」が欲しいので、背筋なども鍛え、体をいじめ抜いて欲しいものです。ぜひ環境の整ったところで、野球を続けていって欲しい選手でした。


(2009年・夏)


 
春田 一馬(国学院大)二塁
177/80 右/左
(瓊浦出身)

(東都大学野球連盟)


 二塁手としての動き、巧打は良いだけに安定感を。3年秋にベストナイン獲得。

 
 
石川 良平(国学院大)捕手
173/76 右/右
(桐蔭学園出身)

(東都大学野球連盟)

 
 チームの攻守の要として、一部昇格に貢献。

 
村田 穏行(日大)三塁
177/78 右/右
(PL学園出身)


(東都大学野球連盟)

 
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柴原 健介(日大)捕手
181/82 右/右
(履正社出身)

(東都大学野球連盟)

 
 チームの主将として、経験豊富なプレーが光る不動の正捕手。

 
陽川 尚樹(東農大)内野
178/79 右/右
(金光大阪出身)


(東都大学野球連盟)

 
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野添 一貴(拓殖大)外野
180/70 右/左
(天理出身)

(東都大学野球連盟)

 
 チームの核弾頭として、柔らかいバッティングを魅せる。

 
高橋 弘樹(拓殖大)三塁
183/85 右/右
(拓大紅陵出身)

(東都大学野球連盟)


 攻守に気持ちの強さが感じられ、当たった時の破壊力が自慢。

 
 
藤本 吉紀(東洋大)捕手
170/73 右/右
(PL学園出身)


(東都大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 センバツ組では、唯一夏まで継続してチェックを行いたい捕手でした。センバツ以後も春季大阪大会などで観戦した選手で、個人的には評価が定まっていた選手です。

(ディフェンス面)

 聖光学院戦では、スローイングタイムが計測出来ませんでしたが、コンスタントに1.9秒前後を決めるスローイングは、高校生でもトップクラスです。捕ってから無駄のない動きで素早く、地肩自体も非常に強い選手です。ただ制球力に関しては、生で観ているどうなのかな?と言う印象は受けました。

 プレースタイルを観ていると、非常に気持ちの強い選手です。座ったまま返球する選手で、投手に配慮すると言う気遣い型ではなく、投手を鼓舞して引っ張るタイプです。ミットを降ろさないですし、打球への反応、キャッチングなどは悪くなく、かなりのレベルの捕手だと思いますが、個人的にはあまり好きなタイプの捕手ではありません。

(打撃内容)

 強打・PLでも、夏は3番を任されておりました。少しクローズ気味に構えていた構えも、夏にはスクエアスタンスになっておりました。また地面をなぞるように足を運び、しっかりインステップして踏み込んで来るので、外の球をしっかり叩けます。また足下がブレないので、パワーロスや身体の開きは早くありません。ヘッドスピードなども悪くありませんし、打撃も基準を満たすものがあります。

(今後は)

 攻守に力のある捕手で、有力大学や社会人でも野球を続けて行ける選手だと思います。今後もアマの王道を行ける力の持ち主ですが、プロとなると、更にワンランク上の守備・打力が求められますね。気持ちの強い選手ですし、どのような道に進んでも耐えて行けそうな逞しさがあります。今後も、日本を代表するアマチュア捕手・そしてドラフト候補へと成長されることを期待してやみません。

(2009年・夏)



 センバツ出場組の中では、唯一・夏まで継続の評価をしていた選手です。ぜひ一度生で見てみたいと思っていただけに、参考になった試合でした。

 今日の大阪桐蔭戦では、途中から試合に出場してきました。二塁までのスローイングを見ていたのですが、かなり二塁方向に流れる(遊撃方向よりは好い)、球筋なんだなと思いました。捕ってから投げるまでの動きが素早く、塁間1.90秒前後のスローイングには、高校球界でもトップクラスのタイムです。ただその制球力の安定感どうなのかな?と思いました。

 プレースタイルは、小柄なセンス型捕手と言うよりは、かなりプレー自体は大きな・スケール型のプレーヤーのようです。しかしそうかといって、細かい部分まで意識が行く選手ですし、状況を冷静に見つめる姿勢も出来ている選手です。もう少し一つ一つの動作を、鋭く・俊敏にまとめられると、よりセンスが感じられるプレーヤーになるのではないのでしょうか。

 また少しクローズ気味に構えるのですが、内角高めの球を、上手く肘をたたんで打ち返す技術もあり、内角の捌きには見るべきものがありました。センバツでは打撃に光るものはあまり感じませんでしたが、今日は収穫ある内容でした。

 意識・打撃・でのプラスαを生観戦で確認出来ました。夏までに、更に成長したところを魅せてくれたならば、高卒からプロへ指名されても好いかなと評価出来そうです。センス型捕手で、高校からプロに指名されそうな選手が皆無なだけに、彼には期待したいところです。

(2009年・春季大阪大会)



(どんな選手?)

 さすが名門・PL学園の司令塔だけあって、実に洗練されている選手です。好投手・中野隆之の好投を導くリードなど、捕手としてのセンスは、選抜屈指のものがありました。また打ってもPLで4番が務められるぐらいのパンチ力があると言われる打力を秘めており、プロのスカウト達からも熱い視線を向けられている存在です。

(守備・走塁面)

 チームの6番・捕手と言うことで、それほど速力は求められていないと思います。塁間は、4.65秒強(左打者換算で4.35秒強)ぐらいと基準を下回り、新チーム結成以来の26試合で、僅か盗塁は1個と走力は期待出来ません。

 問題は、捕手としてのディフェンス力。ミットの存在をしっかり投手に示し、ミットを下げないので、投手は的を絞りやすく投げやすい捕手だと思います。小柄なだけに、フットワークも軽く、打球への反応もまずまずです。またリードも高校生としてはA級で、実に考えたリードが出来る選手です。二塁までのスローイングも一連の流れの中で出来る選手で、塁間1.95秒前後で放れるなど、高校生捕手としてはA級です。地肩もまずまずの強さがあり、ディフェンス力としては実に総合力の高い完成度の高い選手でした。体格面の物足りなさを除けば、ほぼ文句のない素材だと思います。

(打撃)

 打撃は、それほど対応力があるとか、長打力が凄いとか光るものは特に感じませんでした。打率も4割を残すなど基準レベルの打力はあり、ヘッドスピードも基準レベルはあります。特に際だつものはありませんが、極端に打力がないわけではありません。

(今後は)

 素材としては、体格、肉体のポテンシャルと言う意味では、けして図抜けた素材ではありません。また打力も、破綻がない程度と言うことで、アピールする程ではありませんでした。

 そういった意味では、何か大きなアピールポイントが欲しいかなと思います。ただ持ち得る野球センスは高いので、その辺をスケールと照らし合わせた上での最終評価となると思います。夏までに凄みを増すような成長を見せつけてくれれば、高卒での指名もありかなと思いますが、現状はそこまで訴えかけて来るものはありませんでした。常識的に観て、名門大学・企業チームなどにも進む素材だと思いますが、夏までその成長を見守って最終判断を下してみたいと思います。
 

(2009年・センバツ)

 
吉田 裕太(立正大)捕手
182/84 右/右
(日大三出身)

(東都大学野球連盟)


 
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原田 拓実(立正大)二塁
182/73 右/左
(天理出身)

(東都大学野球連盟)


 
 
(どんな選手?)

 監督が「いぶし銀」のような渋い選手と表現するだけあって、そのプレースタイルは、プロも注目する好選手です。180センチ台の大型内野手ながら、打って・守って・走れてとバランスの取れたプレーヤーです。

(守備・走塁面)

 あまりよくわからなかったのですが、球際に強い印象はあります。大型の割には動けますが、それほど地肩・守備範囲には特徴を感じません。次回の試合などで、もう少しその辺が見られることを期待したいです。

 走力に関しては、残念ながら今回計測出来ませんでした。奈良県予選では、6試合で盗塁は0個。甲子園の南砺福野戦では、1個盗塁を決めておりました。けして動けない選手だちは思いませんが、上のレベルで足を売りにするほどの絶対的な走力はないようです。

 守備・走塁に関しては、正直この試合ではよくわかりませんでした。次回の試合に、もう少しチェックしたいポイントです。

(打撃内容)

 軽く前足を引いて構えます。最大の特徴は、踏み込んだ足下をしっかり踏ん張り、内角球でも懐を開かずして引っ張るスイングにあります。特に内角の厳しい球でも、切れずにスイング出来るところは、中々の技術です。

 ただスイングが、まだまだ弱いです。この辺を見ると、木製バットへの対応・大学などレベルが上がった投手への対応には、少し苦労するかもしれません。次回の試合では、左方向への打撃も見てみたい気が致します。

(今後は)

 高卒プロのような凄みは感じません。個人的には、打撃に印象がなかったので、神宮大会・選抜と見る機会がありましたが、チェックするのは初めての選手です。

 今回だけではよくわからない部分も多かったので、次回の試合では、走力・守備力・左方向への打撃を中心に見たいですね。センス型の大型内野手と言う印象を持ちました。

(2009年・夏)

 
松浦 昌平(筑波大)捕手
175/84 右/右
(札幌第一出身)

(首都大学野球連盟)


 
(どんな選手?)

 高校NO.1捕手と言われる鬼屋敷正人(近大高専)よりも、二塁到達タイムが速いと評判になっている強肩捕手です。打っても4番を務めるなど、まさに強肩・強打の捕手と言えるのではないのでしょうか。

(ディフェンス面)

 構えた時に、特別どっしり感は感じませんが、ミットを示した後、殆ど下げないのが好いですね。そのため低めの球へ対応も立ち後れることがありませんし、打球への反応も好いのでワンバウンド処理にも機敏に反応致します。

 投手へは、座ったまま返球。特に投手を鼓舞するような強い返球でもなければ、物凄く山なりで軽い返球でもありません。性格としては、配慮型でも叱咤激励タイプでもないように思えます。ただ投手への返球は早く、リズムを重視している印象を受けました。

 この鳥取城西戦の後に、鬼屋敷の到達タイムよりも早いと評判になったのですが、この試合では一塁に送球してアウトにする場面は観られましたが、二塁でのスローイングは確認出来ませんでした。そうりゃ二塁への到達と一塁への到達タイムでは、一塁の方が断然早いのは当たり前です。

 ただ鬼屋敷よりも、本気で早いかもと思ったのが、その送球される球筋の速さを観ると、相当地肩が強いと言うか、尋常じゃないスローイングはするのかなと思えるものでした。殆どテイクバックを取らず、リストの強さだけでな投げてしまうのは、小関 翔太(東筑紫学園)に少し似ております。ただ実際に二塁までのスローイングを観てみないと、制球力など含めてどうなのかな?と充分な評価は出来ません。ただ殆どテイクバックを取らないことからも、物凄く素早く投げられる可能性は高い、ただ制球力が伴うか、実戦で刺せるのかと言う疑問は拭えません。この辺は、別の試合でも確認してみて、その詳細を詰めたいと思います。

 ただディフェンス面に関しては、思ったよりも遙かに総合力の高い選手でした。キャッチングも、ボールに力負けしないしっかりした捕球ですし、フットワークは使いませんが、打球への反応は素早く動けます。特別捕手としてのセンスは感じませんでしたが、特に雑な印象も受けませんでした。恐らく運動神経含めて、極めて肉体のポテンシャルが高いのだと思います。

(打撃内容)

 前足を引いて構える選手なのですが、一度ベース側に足を戻してから、チョンとステップするタイプの選手です。そのため一定レベル以上の投手に対し、スピードが対応出来るのかな?と言う不安は残りました。

 しかしヘッドスピードの速さは尋常ではありませんし、しっかりボールに向かってインステップして踏み込めますし、踏み込んだ足下もブレません。少々外回りなロスのあるスイング軌道ではありますが、捕手としての基準を完全に上回る打力があるのは確かです。

(今後は)

 二塁へのスローイングが確認次第で、その評価は変わって来ると思います。しかしディフェンス面では悪い癖はなく、極めて高い身体能力の持ち主です。捕手としてのインテリジェンスや捕手的性格なのか?と言うのは、少々生で観ていないのでわかりづらいところです。

 ただ持ち得るポテンシャルは極めて高く、それでいて雑な部分や破綻的なものは感じないところからも、かなり面白い素材だと言う印象を持ちました。もう少し別の試合を観て、総合的に判断したいところです。

 打撃に関しても、捕手と言う枠を超えて、ヘッドスピードだけならば、今大会でも屈指ではないかと思います。またその強打は、捕手としての基準を充分満たしているものと判断致します。外角の球を強く叩くと言う、打撃の基礎も出来ております。もう少し他の試合を観て、最終的な評価づけをしたいですね。正直、ここまで好い捕手がいたとは、かなりのサプライズでした。

(2009年・夏)

 
河野 孝太郎(筑波大)外野
174/75 右/左
(水戸桜ノ牧出身)

(首都大学野球連盟)

 
 快速を生かしたプレーで翻弄。

 
平野 智基(日体大)捕手
175/77 右/右
(鳥栖出身)

(首都大学野球連盟)


 
(どんな選手?)

 タレント揃いの09年度の鳥栖高校において、4番・捕手を務める攻守の要的存在です。「野球小僧」のリストにも掲載されていた選手なので、今回チェックを入れてみました。

(ディフェンス面)

 グラブを示し、その後もミットを下げないで捕球できる選手です。そのため低めへの球にも、対応が遅れることが少ないと思います。ただ打球への反応やキャッチングは、平均的。ガッチリした体型で、フットワークを使って来る動くタイプの捕手ではありません。

 残念ながらこの試合では、スローイングの機会がありませんでした。正確なスローイングが魅力の選手だそうですが、また別の試合も見ることになると思いますので、その時に詳細を詰めたいかなと思います。

(打撃内容)

 スイングは、基本的に巻き込み型のプルヒッターです。強い体を生かして、パワフルな打撃が売りです。スクエアスタンスで、あらかじめ捕手側にグリップを添えます。少々構えた時から、硬さを感じさせるのが残念です。

 仕掛けも「遅すぎる仕掛け」を採用しており、一定レベル以上の投手に対応するのには、立ち遅れる可能性が高いです。・足をほとんど上げないスタイルなので、極めて打てるポイントは限られます。あらかじめインステップ方向に足を踏み出しますが、その割に足がいち早く地面から離れる引張専門のスイングになっております。

 あらかじめ捕手方向にグリップを持って来て、そこから振り出すので「トップ」を作るのが遅れることはありません。ただ肘が下がって出てくるので、インパクトまでのスイングにはロスを感じさせます。それでいて、意外にスイングの弧・フォロースルーも小さめで、スイング自体はコンパクトと言うか、強打者としては物足りないスイングをします。最大の課題は、「開き」が我慢できない選手なので、外への対応が、これからの大きな課題ではないのでしょうか。

(今後は)

 ディフェンス面は、まあ可も不可もなしと言った感じでした。むしろ問題は、かなり打てる球が限られているであろう、対応力に欠ける打撃にあると思います。肉体的には「柔らかさ」が物足りないので、もう少しリラックスして、その辺を出して行きたいですね。

 上のレベルでも野球を続けて行く素材だとは思いますが、更に上のレベルを考えると、いろいろ根本から打撃を変えて行かないと行けないかもしれません。それでも09年度の佐賀を代表する捕手だったと思います。
 

(2009年・夏)

 
鈴木 昴平(東海大)遊撃
175/79 右/右
(東海大菅生出身)

(首都大学野球連盟)

 
 学生球界トップクラスのディフェンス力を持つが、打撃で何処までアピールできるか。

 
加納 嵩久(東海大)外野
176/81 左/左
(今治西出身)



(首都大学野球連盟)


 
 (どんな選手?)

 下級生の時から活躍する選手で、三拍子バランスの取れたプレーヤーです。緒戦の光星学院戦では結果が出ませんでしたが、バックネット裏のスカウト達からは、指名候補のリストに名前が載るほどの選手でした。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.1秒台と基準以上の俊足です。光星戦でも盗塁を決めるなど、ソコソコの走力がありそうです。

 関心したのは、中堅守備・打球への反応・キャッチングなどが上手く、外野守備は安定しております。その辺の能力をスカウト達も買っていたのでしょう。ただこの試合ではよくわからなかったのですが、地肩は下級生までは並の印象で、それほど際だつものはありませんでした。しかしスカウト達を惹きつけていたところを観ると、肩の成長もあったのかもしれません。この辺は、今後の試合で確認出来ればと思います。

(打撃)

 昨年までは、ボールに合わせる技術と思いっきりの好いスイングが印象的。ただ試合で気になったのは、高めのボール球でも手を出してしまう選球眼の悪さでした。今大会では、ボールを捉えるセンスには向上が観られましたが、ヘッドスピードの鋭さや打球の強さに関しては平均レベルで、図抜けたものが感じられなかったのは残念でした。

(今後は)

 三拍子バランスの取れたプレーヤーなので、有力大学などに進む可能性が高そうです。やはり更にそこから上のレベルを意識するのには、打力の更なるUPが望められると思います。その辺の成長が見込めるようだと、それから先の扉も開くかもしれません。彼も長い目で見守って行きたい選手でした。

(2009年・センバツ)



 秋季大会でも、ボールに合わせる技術と思いっきりの好いスイングが印象的な好打者でした。ただ試合で気になったのは、高めのボール球でも手を出してしまう選球眼の悪さ。

 軽く前足を引いて構え、一端ベース側にチョンと足を戻し、小さくステップするスタイル。それだけに動作が忙しく、速い球に差し込まれやすい傾向にあります。真っ直ぐ踏みだしますが、特にレフト方向へ逆らわないで打ち返すのを得意としております。

 それほど地肩には強さないのですが、塁間を4.25秒ぐらいと基準レベル。試合でも、左中間を深々と破って行くスリーベースを放ちました。まだまだ新2年生。強く引っ張る姿も見てみたいものです。今後何処まで伸びて行くのか、気になる1人でした。

(2008年・センバツ)



 変化球などを合わせる技術に長け、思いっきりもよく、ヘッドスピードも鋭い。左方向にも打てるなど、幅広い打撃が出来る選手だ。

 残念ながら、中堅手としての地肩の強さには物足りないものがあるが、塁間4.15秒は、基準を上回る脚力の持ち主。一冬越えて、センバツで、どんな活躍を魅せてくれるのか期待したい。

(2007年・秋)


 
山崎 珠嗣(横浜商科大)遊撃
169/75 右/右
(吉岡商出身)

(神奈川大学野球連盟)

 
 山崎 憲晴(ベイスターズ)の弟・珠嗣(4年)遊撃手が注目。兄がポテンシャルの高さでプレーするタイプならば、弟は野球頭脳とセンスを生かしてプレーするスタイル。

今日は結果は残せませんでしたが、遊撃の守備は安定しているし、内野手の要としてのリーダーシップは感じさせてくれました。ただ足でも怪我しているのか?一塁までの到達がえらく遅いのには気になります。兄のような身体能力がないので、ドラフト候補としては厳しそう。それでも攻守にゲームメイクできる能力があるので、試合に上手く溶け込んで行けます。そういった実戦でのセンスは、兄にはない能力。

(2013年 春)

 
森岡 俊輔(神奈川大)外野
179/74 右/右
(広陵出身)

(神奈川大学野球連盟)

 
 今日は、第一打席に磯部からレフトスタンドへ。第二打席では、内角高めの球を強引に引っ張りレフト線ツーベースに。第三打席では、北原の重いストレートを詰まりながらもライト前に。最終打席では、スライダーをライトフライを放つなど、打撃では光っていました。守備・走力との兼ね合いが気になりますが、打撃では神奈川リーグ随一の強打者ではないのでしょうか。

(2012年 神奈川大学選抜 VS JX-ENEOS)

 
春原 直登(関東学院大)中堅
173/73 右/左
(佐久長聖出身)

(神奈川大学野球連盟)

 
 チームの一番打者らしく、ボールをしっかり見極められる選球眼があり、確かなミートセンスのある打力の持ち主。

中堅手としても、非常に安定していますし、地肩も中の上レベルはあります。走力もチームの1番を務めるように、中の上レベルの脚力はありそう。そういった意味では図抜けたものはありませんが、すべてが中~中の上レベルでまとまっている総合力が高い選手。また野球センスがあるので、それを生かすゲーム感覚の良さは目立ちます。ドラフト候補とかそういった選手ではありませんが、社会人などでも続けて行ける素材。

(2013年 春)



昨夏の時点から、佐久長聖で一番を務めている選手です。早めに始動し、足で地面をなぞるように回し込む、幅の広い対応力が、個人的に気になりました。私の見た試合では、あまり結果を残せておりませんでしたが、良い物を持っている選手だと思います。

 一塁までの塁間が4.3秒台とやや物足りないのと、三塁手としての地肩・スローイングも、それほど光ものはありませんでした。ただ2009年度の長野を代表する強打者の一人として、気に留めてみたいと思わせてくれる選手でした。ぜひ今度は、もう少しじっくり見てみたい一人でした。
 

(2008年・夏)

 
植松 慎太郎(関東学院大)遊撃
175/67 右/左
(鹿島学園出身)

(神奈川大学野球連盟)

 
 こちらは、下級生の頃から実績がある選手で、安定した遊撃守備が自慢。驚くような強肩やスピード感は感じませんが、丁寧にボールを扱おうという意識があり、ボールへの入りが柔らかいキャッチングが目につきます。

ただ打撃に関しては、当てるのは下手ではありませんが、強く叩けないスイングが気になるところ。同校の先輩である 鬼崎 裕司(富士重工-ヤクルト-西武)選手のような弱さを感じてしまいます。先輩ほどの圧倒的な守備力があるのかは微妙ですが、この守備力で社会人まで続けて行ける選手ではないのでしょうか。

(2013年 春)



(どんな選手?)

柔らかいバッティングの巧打者で、この春は 13試合 0本 2打点 打率.250厘の成績ともう一つ。ただ遊撃もこなすなど、守りでも存在感を示している。 (守備・走塁面) 巧打者タイプだが、それほど足を売りにするプレースタイルではないように思います。ただ残念ながら、正確なラップまでは計測できませんでした。

遊撃手としても、動き自体は悪くありませんが、それほど際立つものは感じません。むしろ地肩があまり強くなく、上のレベルではセカンドあたりを担うようになるのではないのでしょうか。ただ独特の感性はあるので、それと上手く身体能力とのバランスの取れたプレーができるようになると面白いと思います。

(打撃内容)

前足を軽く引いて、グリップを高めに添えます。打席では、自分のリズムを刻み、柔らかい構えが印象的。早めに始動するなど、典型的なアベレージヒッターといった感じです。

<長所>

始動~着地までの「間」が取れているので、速球でも変化球でも合わせやすいタイプ。ただ、打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れ気味になるので、始動の早さを充分活かせていない。

非常に膝の送り、リストワークなどを柔らかく使える特殊能力があります。あとは、強さ・鋭さを身につけられると面白いでしょう。

<課題>

踏み込んだ足元が、インパクト際にブレてしまい打ち損じの多いタイプ。またバットの振り出しは悪くないものの、巧打者タイプにしてはスイングの弧が大きく、強打者タイプのスイングをするので、幾分ロスを感じます。

(最後に)

攻守共に、まだ絶対的なものが感じられません。地肩の弱さ・スイングのひ弱さなどもあり、持ち得る能力を充分生かしきれていないように見えます。 現状、来年のドラフト候補になるとか、そういった選手ではないように思います。攻守の質を向上させて、まずは社会人に進んでも活躍して行けるだけの下地を構築して欲しいですね。

(2012年 大学選手権)

 
上西 主起(中部学院大)右翼
185/86 右/右
(和歌山商出身)

(東海地区大学野球連盟)

 
 チームでは5番・右翼手を務め、高い身体能力を秘めた大型外野手。大学選手権では、ショート強襲のヒットを放ったり、ジャイアンツとの交流戦では右中間にツーベースを放ちました。

(守備・走塁面)

 二塁までの到達タイムは、8.9秒前後と、それほど際立つタイムはありません。実際プレーを観るかぎり、走力に関しては売りにするほどのものはないように思います。ただ右翼手としては中々の強肩で、守備も悪くありません。上のレベルでは、まずこの肩が売りになるでしょう。

(打撃内容)

 大型故に捉えた打球は強烈でも、独特の脆さ・粗さは感じます。

<構え> 
☆☆☆

 ほぼ両足を揃え、グリップは高めに添えます。背筋を伸ばし、両目で前を見据える姿勢・全体のバランスは並でしょうか。

<仕掛け> 早めの仕掛け

 投手の重心が下るときに始動する「早めの仕掛け」を採用。強打者ですが、本質的には対応力重視なのがわかります。

<足の運び> ☆☆☆

 
始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でも合わせやすいはず。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいという意志が感じられます。最大の欠点は、踏み込んだ足元がインパクトの際にブレてしまいます。これだと体の開きも抑えられませんし、インパクトの際にもパワーロスして、打ち損じも少なくないはず。

<リストワーク> 
☆☆☆

 
早めに打撃の準備である「トップ」を、深く作ります。そのため、速い球に立ち遅れる心配もありません。特に振り出しに大きな癖はありませんし、バットの先端であるヘッドも下がることがありません。スイング軌道としては、可も不可もなしといった感じでしょうか。スイング自体は強いのですが、柔軟さに欠けるところが気になります。

<軸> 
☆☆☆

 
頭の上げ下げは大きくないので、目線は大きくは動きません。どうしてもインパクトの際にブレてしまい、空振りをした後にバランスが崩れてしまいます。軸足は地面から真っ直ぐ伸びているので、それを受け止める下半身とのバランスを取りたいですね。

(最後に)

 
元々素材としてやや固いところがある上に、下半身が安定していません。しかし肩という武器があるので、それを全面にアピールして欲しいですね。社会人などでも野球を続けて行ける素材だと思いますので、そこでの更なる成長を期待します。ポテンシャルは秘めている選手なので、2年後のドラフト候補として浮上することを楽しみにしております。

(2013年 大学選手権)

 
松本 道成(愛知大)捕手
176/80 右/左
(西脇工出身)

(愛知大学野球連盟)

 
 入学間もない頃から正捕手になり、3年秋には自身二度目のベストナインにも選出された好捕手。


牧内 樹(名城大)内野
172/67 右/右
(大府出身)

(愛知大学野球連盟)

 
 
 スピード感溢れる守備と思いっきりの良いパンチの効いた打撃で3年春にベストナイン。

 
古川 昌平(愛知学院大)捕手
176/77 右/左
(大産大附出身)

(愛知大学野球連盟)

 
  (どんな選手?)

大学選手権後に、下級生だけの全日本平塚合宿において招集された選手です。今春のリーグ戦では、0本 5打点 打率.218厘と目立つ打撃成績ではありませんでしたが,安定したディフェンス力を評価されて代表候補選出だったのではないのでしょうか。

(ディフェンス面)

ミットを示したら全く動かさない選手で、投手としては狙いをつけやすい構え。打球への反応も素早く、高い集中力と忍耐力を感じさせる。ボールの押し込みも中々のもので、ワンバウンド処理などの反応も素早くキャッチングは安定。塁間1.9秒強ぐらいのスローイング・地肩も悪くなども悪くない。何か図抜けているというよりは、トータルで評価できる捕手だと言えよう。

(打撃内容)

確実性には課題があるようですが、当たった時の打球には強烈なものがあります。それだけにポテンシャルは秘めており、対応力が今後の課題だと言えるのではないのでしょうか。

<構え> ☆☆☆

前足を引いて、左オープンスタンスで構えます。脇を閉めて、グリップを下げて添えます。背筋を伸ばしているので、腰の座りは深くはありません。全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などは並です。もう少し、リラックスを心がけて構えても良いかもしれません。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

一度開いていた足を、ベース側につま先立ちします。それでも再度始動するタイミングが遅すぎるというほどではありません。逆に立ち後れないことを、いつも意識すべきではないのでしょうか。

<足の運び> ☆☆☆

足の上げも小さく、始動~着地までの「間」は短いタイプ。すなわち線でボールを捉えるというよりは、点でボールを狙い打ちするタイプ。そういった「鋭さ」がある選手ならば良いのですが、中々こういった打撃は難しいもの。特に彼のような、長打を売りにするタイプではないのならば、幾分動作を早めて余裕のある動きにしたいところ。

真っ直ぐ踏み出した足元は、盤石とは言えませんが開きは我慢できているように思います。真っ直ぐ踏み出すので、内角でも外角でも捌きたいという、幅広い意識は感じられます。

<リストワーク> ☆☆☆

打撃の準備である「トップ」を作るのが、少し遅れがちであるように見えます。バット寝せながらも、それほど遠回りな軌道ではありません。大きな弧を描いて、最後まで力強く振り切ります。

<軸> ☆☆☆

頭の動き、体の開き、軸足の安定感なども平均的。特に可も不可もなしといった感じです。

(打撃のまとめ)

幾分始動を早めて、各動作の動き出しを幾分早めた方が、動作に余裕があって対応力は増すように思えます。ディフェンス力は、総合すると良いものを持っているので、これで打力が加わって来ると、東海地区を代表する捕手として来年は注目されるのではないのでしょうか。全日本合宿を経験して、更に大きく育って欲しい一人です。

(2012年 大学選手権)

 
山中 渉伍(中京大)内野
174/74 右/右
(中京大中京出身)

(愛知大学野球連盟)


 
(どんな選手?)

 中京大中京の核弾頭で遊撃も守る、チームのキープレーヤーの1人です。三拍子バランスの取れた好選手です。

(守備・走塁面)

 夏の平安戦では、一塁までの計測タイムは4.7秒弱。何処か故障でもしているのでしょうか?ちなみに選抜でのタイムは、4.1秒前後。これを左打者換算すると3.8秒前後と言う、プロでも足を売りに出来る快足レベルです。夏の愛知予選では、6試合で3盗塁を決めるなど、やはり動ける選手でした。上のレベルでも走力でアピール出来る能力がありそうです。

 遊撃手としても、中々軽快で上手いです。またスローイングの球筋鋭く強肩ぶりが伺えます。身体能力・技術的にも悪くないので、今後の課題は、この守備力の安定感ではないのでしょうか。上のレベルでも二遊間を担える好選手です。

 守備・走塁共に、充分に上のレベルで通用するものがあります。更に精度・レベルアップをすれば、どのレベルでもアピール出来る可能性があります。

(打撃内容)

 この選手の評価は、イマイチ上がってこないのは、それほど打撃に特徴がないからだと思われます。スクエアスタンスで構え、足を回し込むことで、打撃の幅を作ることが出来ております。激戦区愛知においても、夏の予選で打率.529厘と高い対応力を魅せました。

 夏の平安戦では、第一打席に左中間を抜けて行くツーベースでパンチ力を魅せつつ、第二打席では、外角低めのスクリューをしぶとくライト前にはじき返す打撃も魅せました。ヘッドスピードも鋭さを増し、打撃でも特徴を持ちつつあります。

(今後は)

 身体能力も高い選手ですし、恐らく有力大学へ進むポテンシャルを秘めた選手だと思います。高卒プロのような凄みのある選手でありませんが、更に守備・走力・打撃と総合力が引き上げられるようだと、上のレベルでも楽しみです。大学などで実績を残し、3,4年後にはドラフト候補として注目されることを期待したいですね。

(2009年・夏)



(どんな選手?)

 チームの一番・遊撃手を務める選手です。特に高い身体能力を生かしたプレーが魅力の好選手です。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.1秒前後。これを左打者換算すると3.8秒前後と言う、プロでも足を売りに出来る快足レベルです。実際に47試合で15盗塁を決めるなど、中々の脚力の持ち主であることがわかります。

 また遊撃守備も中々軽快で上手いです。またスローイングの球筋鋭く強肩ぶりが伺えます。身体能力的には、上のレベルでも充分通用するものがありますので、後はその精度を高めて行って欲しいと思います。

(打撃)

 ちょっと観ただけですが、打撃にはあまり印象に残りませんでした。それほどヘッドスピードに鋭さ・強さは感じませんし、ミートセンスなどにも特に目立つものはありませんでした。それでも新結成以来、打率.438厘など高打率をマークしております。一冬超えて、スイングに強さが出てくると、身体能力が高いだけに楽しみです。

(今後は)

 序盤戦は、録画ミス、後半戦は7回コールドで終了。そのため、この選手の打席が観られたのは一打席のみでした。そういった意味でも、選抜ではじっくり観てみたい選手です。

 走・守のポテンシャルが高いのはわかったので、打撃次第では充分上のレベルで野球を続けて行ける選手だと思います。神宮大会では、思わぬ形での緒戦敗退でしたが、このチームはかなり強そうです。そのチームの核弾頭、期待したいですね。

(2008年・神宮大会)


 
中嶋 智仁(福井工大)外野
179/75 右/右
(福井工大福井出身)

(北陸大学野球連盟)

 
 昨年の大学選手権でも取り上げた選手で、均整の取れた体格から高い身体能力を持ったアスリート系の強打者。昨年はリーグ戦で2割台での出場でしたが、今春のリーグ戦では 1本 8打点 打率.364厘 と数字を上げての登場で期待を持たせました。しかし上武大戦では結果を残せず、消化不良で終わった大会だったとも言えるでしょう。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.2秒台~4.35秒ぐらいで到達するなど、左打者に換算すると4.0秒前後~4.1秒ぐらいと俊足レベル。ただ盗塁をバシバシ決めるような、そんなプレースタイルかは微妙です。

 中堅手としても安定しており、地肩も基準以上。そういった身体能力は、上のレベルでも充分通用しそう。

(打撃内容)

 昨年同様に、腰の逃げが早く巻き込み型のスイング。そのため上手く捉えられれば長打も期待できますが、打てる球は限られ、脆い印象は拭えません。

<構え> 
☆☆☆☆

 前の足を軽くクローズで、グリップは下げ気味に添えます。背筋を伸ばし、全体のバランスやアゴをグッと引いて集中力は感じます。クローズ気味ですが、両目での前の見据えも悪くなく、構えとしては緊張感があって好い構えではないのでしょうか。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下がりきったあたりで、足をベース側につま先立ち。そして本格的に始動するのは、リリース直前。これでは、一定のスピード・キレのある球に、立ち遅れてしまいます。あるいは、打撃に必要な動作を端折ってしまい、充分なスイングができません。

<足の運び> 
☆☆

 小さくベース側にインステップしてきます、そのため外角を強く意識したスタイルなのがわかります。しかし腰が早く逃げ、ボールを引っ張りにかかるので、足元がブレてしまいボールを引っ掛けてしまう場面が目立ちました。上のレベルを意識するのならば、やはり足元を固めて、センターから右方向へのスイングもしてゆかないと厳しいでしょう。

<リストワーク> 
☆☆

 打撃の準備である「トップ」をしっかり作れないまま振り出すので、上手くタイミングも取れていません。腰が早く開いて、バットも遠回りでロスが大きいのも気になります。その分スイングの弧は大きく、上手くタイミングがあえば長打は望めます。しかしその確率が低いのと、けして長距離打者ではないと思います。

<軸> 
☆☆☆

 足の上げ下げが小さいので、目線は大きくは動きません。しかし体の開きが我慢できないのが、最大の課題。腰の逃げが早い選手は、インステップで足元を固めることで、開きをある程度のところで抑え込めます。そのことを意識して取り組んだらどうでしょうか?

 ただ軸足は地面から真っ直ぐ伸びているので、軸を起点に綺麗に回転はできています。

(最後に)

 昨年までは、「間」が取れていたのを極端に始動を遅らせるスタイルに変えました。地方リーグレベルならば、それでも長打も放てて好いのでしょうが、全国レベル、更に社会人野球など上のレベルを意識すると心配です。

 高い身体能力は魅力ですが、今のままだと打撃で苦労することが予想されます。今後も野球を続けて行く素材だと思いますが、もう一度打撃を見つめなおす必要性に迫られそう。その時に、どんな対応を魅せるのか、その進化に今後も注目して行きたいと思います。

(2013年 大学選手権)



 均整の取れた体格から高い身体能力を生かしたアスリート型で、甘い球を逃さない「鋭さ」も兼ね備えています。

(第一印象)

 典型的な巻き込み型のスイングであり、外角への対応がひとつ課題になりそうです。上手く巻き込めれば一発長打のパンチ力はありますが、リーグ戦.289厘の数字も地方リーグの成績だけに微妙な気は致します。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を、コンスタントに4.2秒台(左打者換算で3.95秒に相当)する俊足の持ち主。中堅手としても基準以上の地肩があり、技術はともかく走力・肩という身体能力には高いものがありそう。

(打撃内容)

 前足を軽く引いて、カカトを浮かして構えます。ただ構えた時に力みが感じられ、少し固いというか脆い印象はを受けます。「早めの仕掛け」を採用しており、アベレージ打者の傾向は見られるのですが・・・

<長所>

 早めに始動し、着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でも合わせられる幅広いポイントを持っています。

 打撃の準備である「トップ」を早く作り、上からミートポイントまで振り下ろすロスのないスイング軌道。最後までシッカリ振りぬくなど、アベレージヒッターとしては悪くありません。

<課題>

 踏み込んだ足元が早くから地面から離れてしまう、典型的な巻き込み型のスイングです。そのためインステップでベース側に踏み込み外角の球にも対応できますが、右方向への打撃ができず打てる球は限られていると思われます。いかに苦手な外角をカットしつつ、甘い球を捉えて行けるのかが鍵になりそう。

(最後に)

 素材としての脆さは気になりますが、高い身体能力は魅力です。あとは、いかに確実性を高めて行けるのか、ここにかかっていますね。来年の地方リーグの逸材として、覚えておきたい一人ではありました。

(2012年 大学選手権)

 
張本 優太(佛教大)捕手
180/80 右/右
(菊華出身)

(京滋大学野球連盟)

 
 スローイングを見ていると、中々の強肩という印象を受けました。打っては、死球・サードへの強襲の当たりなど、強肩・強打の捕手として、来年に向けて、ちょっと気になる選手です。

(2012年 平塚合宿)

 
津川 智(近畿大)外野
188/80 右/右
(広陵出身)


(関西学生野球連盟)

 
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亀山 一平(近畿大)外野
179/75 右/右
(近大附出身)

(関西学生野球連盟)


 あんまり覚えていないのですが、好打者タイプの選手だったかと思います。打席もショートゴロなどで、私が観ている間、目立つ働きは見られませんでした。リーグ戦では、打率.289厘 0本 7点 2盗塁という成績だったようです。来年は、ぜひ注目してみたいですね。

(2012年 平塚合宿)

 
山崎 裕貴(関西学院大)捕手
168/67 右/右
(関西学院高出身)

(関西学生野球連盟)


 小柄ながら、強肩と好守で初のベストナインに。リーグ戦では、0本 2打点 2盗塁 打率.277厘。こちらは、強打型と言うよりは、好守タイプの捕手だったと思います。ただ細かい部分まで見られませんでしたので、正直あまりコメントできません。

(2012年 平塚合宿)

 
 
瀧野 光太朗(立命館大)内野
176/75 右/左
(今治西出身)


(関西学生野球連盟)


 
(どんな選手?)

 1年生の時から活躍する選手で、昨年は三塁手でしたが、今年は遊撃手として出場しておりました。昨年のセンバツ出場選手の中では、NO.1の長打力を示していたほどの強打者でしたが、本質的に中距離タイプ。また昨年よりも、強打者としての色彩を弱めている印象です。それでもセンバツ出場選手の中では、上位の打力を秋に記録していた選手です。

(守備・走塁面)

 1年の時に計測したタイムは、塁間4.25秒。昨年が4.35秒・そして今年が4.55秒弱と年々走力のタイムが落ちてきております。これが、偶然なのか走塁への意識が低下しているかは定かではありません。ただ新チーム結成以来・44試合で14盗塁を記録しているように、ソコソコの走力・走塁意識はあるようです。ただ上のレベルで足を売りにする程ではないと思われます。

 元々三塁手としての守備も不安があった選手ですが、遊撃手を今年は務めます。ただその動きを見ていると、やはりイマイチで上のレベルでは三塁なり別のポジションを担うことになると思います。地肩も基準からやや弱い程度で、それほど際だつものはありません。特に守備に関しては、もう少しレベルを引き上げたいところです。

(打撃)

 この選手の売りは、鋭いヘッドスピードとツボにはまればスタンドイン出来るパンチ力です。公式戦・練習試合含めて4割以上をマークするなど、実際に選抜でも結構しっかりミートポイントでボールを捉えることが出来てました。

(今後は)

 実績・実力のある選手なので、有力大学への進学も期待される選手です。ただそこから更に上のレベルとなると、走力・守備力・打力で、何か売りに出来るものが欲しいと思います。そういったものを伸ばして行ける時間が、彼には必要だと思います。まずは、夏までにあとどのぐらい伸びることが出来るのか、注目して行きたいと思います。

(2009年・センバツ)



 昨夏・1年生ながら4番を務めていた将来楽しみな選手でした。「旬のネタ」のホームラン部門では、出場全選手中、NO.1の確率でスタンドに叩き込める選手でした。

 懐の深い構えは、新2年生ながら非常に雰囲気を感じさせます。またこの選手の素晴らしいのは、ヘッドスピードの鋭さにあると思います。これは、今大会の出場選手の中でも、トップクラスだと思います。

 ただ試合では、長野日大バッテリーの徹底した内角攻めに合い、持ち前の打力を封じられてしまいました。軽く足を引いて構えます。足を一端ベース側にチョンと寄せてから小さくステップするパターンです。始動全体を早めて、速い球への対応を意識したいですね。

 真っ直ぐ踏み出した足が、インパクトの際にブレないのは好いところです。また素直に左方向へはじき返す技術もある選手なのですが、この試合ではアウトコースの球を無理に引っ張りかかってしまったのは残念でした。

 三塁手としては、少々フットワークが危なっかしいのが気になります。ただ地肩は水準レベルはありそうです。一塁までの塁間は、4.35秒ぐらいと物足りませんでしたが、昨年計測した時は、4.25秒ぐらいと標準レベルはありました。

 攻守を売りに出来る程の魅力はありませんが、破綻のないレベルまで引き上げ、自慢の打撃を磨いて欲しいですね。すでに、新2年生としては全国レベル。来年は、全国を代表する強打者となれる素材だと思います。目標を高く設定して、プロの領域まで届いて欲しいと期待している1人です。

(2008年・センバツ)



 懐深い構えが印象的な4番打者。レフト方向にも素直にバットが出てくる好打者だ。塁間を4.25秒前後と平均的。ただ三塁手としては、地肩もまずまずで、守備も基準レベル以上だ。

 1年生の4番打者として、センバツでの躍、今後の成長が期待される存在だ。

(2007年・秋)


 
藤居 憲吾(立命館大)外野
182/88 右/右
(綾羽出身)

(関西学生野球連盟)

 
 高校時代は140キロ台の速球派投手として鳴らし、今や思いっきりの好いスイングが目立つ。

 
桂 依央利(大商大)捕手
185/80 右/右
(太成学院出身)


(関西六大学野球連盟)

 
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鈴江 翔太(龍谷大)一塁
182/77 左/左
(桜宮出身)

(関西六大学野球連盟)

 
 恵まれた体格から繰り出す、パワフルな打撃は目立つ。

 
安岡 瑞葵(神戸学院大)遊撃
177/79 右/左
(鳴門工出身)


(関西六大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 2年夏の時点で、甲子園で4番を務めた強打・強肩の遊撃手です。あれから一年が経ち、どのぐらいスケールを増してきたのか注目される選手でした。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.6秒前後(左打者換算で4.3秒前後)と、ドラフト候補としては中の下レベルです。そのため、将来的にも足を売りにするタイプではありませんでした。

 最終学年でも遊撃手を努めておりましたが、この一年で随分と守備力は向上したように思えます。細やかな動きやスピード感は感じられませんが、かなり安定感は増してきており、スローイングにも強さを感じられます。将来的には、強肩の三塁手あたりで期待できそうなタイプでした。

(打撃内容)

 前足を大きく引いて、グリップを高めに添えます。小刻みにゆらぎ、癖のある構えではありますが、悪くはありません。仕掛けは「早めの仕掛け」を採用し、引いていた足をベース側に持って行きます。その際に、地面まで中々足を降ろさないなど、長い「間」があり、打てるポイントは広そうです。ただ残念なのは、足元がインパクトの際にブレるなど、打ち損じの多い、粗いタイプの打撃をしていることでしょうか。

 あらかじめ捕手方向にグリップを引いているので、打撃の準備段階である「トップ」は早めに深く添えられております。ただ体から離れからバットがでるので、インパクトまでにはロスが感じられます。それでもスイングはコンパクトでありながら、グリップは高い位置まで引き上げる強引なスイングで、荒削りな印象は否めません。そのため上手くボールを捉えられれば、甲子園でバックスクリーンに叩き込んだような豪快な打撃が観られますが、上のレベルを意識すると、課題も多い選手でした。

(今後は)

 大学などでも、野球やって行ける素材だと思います。強打の三塁手としてあたりならば、守備も上手い部類に育つかもしれません。打撃はかなり癖のある独特のメカニズムなので、その辺を、もう少しシンプルにまとめられると良いと思います。スイングの思いっきりの良いので、無駄をそぎ落とすことで、対応力を増して行けると思います。ポテンシャルは高い選手だけに、本人の努力と周りの指導者に恵まれれば、大きく化ける選手かもしれません。今後も期待して見守りたい選手でした。

(2009年・夏)



 2年生ながら鳴門工の4番・遊撃をつとめる攻守の中心的な存在。特にフォロースルーを生かした豪快な打撃が魅力で、この本庄戦でもセンターバックスクリーンに叩き込むなど来年が楽しみな強打者だ。

 前足を引いてボールを両目でしっかり見据えるように立っている。グリップを高く引き上げ、あらかじめ捕手方向に引いて添える。腰の据わり・全体のバランスなどが、もう一つで、かなり癖のある構えだと言えそうだ。

 早めに足を引き上げ、回し込む。まっすぐ踏み出して、足下のブレは抑えられている。多少粗い部分はあるが、技術的にはある程度基本に忠実なプレーは出来ていそうだ。

 守備は、遊撃手と言うことだが、フットワーク・キャッチングなどを観ると、新チームではサードあたりが適職かもしれない。地肩も並みで、遊撃手としては際だつものはない。また一塁までの塁間を4.7秒強(左打者換算で4.4秒強に相当)と、実際思いっきり走れば、もう少し早く走ることは可能かもしれないが、基準~それ以下の脚力で、上のレベルで足を売りにすることはなさそうだ。そう考えると、守備・走力に際だつものはないだけに、如何に来年までに自慢の強打に磨きをかけるかだろう。

 ボールを捉えるセンスには、あまり良いものを感じないが、ボールを叩く思いっきりの良さと、飛ばすことの出来るポテンシャルのある選手。四国を代表するスラッガーとして、これから大きく育ってもらいたい。

(2008年 夏)

 
大畑 建人(大体大)遊撃
174/80 右/左
(神村学園出身)

(阪神大学野球連盟)

 

(どんな選手?)

高校通算35本以上を記録する、パワフルな打撃が自慢の強打者です。気持ちも強い選手で、チームをガンガン引っ張るタイプでしょうか。

(守備・走塁面)

残念ながら、走力に関してはよくわらかず。ただ三塁手としての、打球への反応・キャッチング・スローイングも悪くありませんでした。地肩もよく、上のレベルでも三塁手を続けて行ける素材だと思います。

(打撃内容)

前足を軽く引いた構えながら、構えた時のバランス・どっしり感も好く雰囲気のある打者です。強打者ですが、ボールを見極め叩く目も悪くないですし、ヘッドスピードもすでに基準レベルあります。

(今後は)

パワフル強打者として、上のレベルでも活躍が期待される選手です。守備力もある程度あるので、首脳陣としては使いやすい選手ですね。大学などでも、その打力を活かして頑張って欲しい一人でした。

△永田 峻也(鹿児島・鹿児島城西3年)右翼 174/72 右/右

(どんな選手?)

一年から主軸を任されてきた遊撃手でしたが、今は右翼手に転向。鹿児島城西の核弾頭として活躍してきた選手です。

(守備・走塁面)

一塁までの塁間は、緩めたもので4.65秒前後(4.35秒前後)を記録。実際のところは、左打者換算で4秒台前半ぐらいで走り抜けられる走力はありそうな選手です。

右翼手としては、あまり好くわかりませんでした。ただ真っ正面に落ちるライナーを上手く好捕するなど、球際には強いタイプではないのでしょうか。

(打撃内容)

軽く足を浮かしまわし込むタイプの好打者です。また踏み込んだ足下はブレないなど、元来甘い球を逃さないで叩く「鋭さ」がある選手だと思われます。四球を選んだ第一打席を除けば、観戦した試合の他の打席では、ボールを捉えておりミートセンス・目の良さを持った選手だと思います。

(今後は)

大学などに進んで、その資質を高めて行って欲しいですね。恐らく一番打者を務めていることからも、三拍子の総合力が高い選手なのだと思います。更に存在感の高いプレーヤーに、成長されることを期待しております。

(2009年 夏)

 
浅岡 弘之(奈良産業大)遊撃
178/70 右/左
(済美出身)

(近畿学生野球連盟)

 
 3年秋にはリーグMVPに輝くなど、名実共に近畿学生を代表する選手に。

 
三木 大知(岡山商科大)遊撃
180/78 右/左
(倉敷工出身)

(中国地区大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

この春は、0本 2打点 打率.317厘 の成績ながら、自身二度目のベストナインを獲得。全日本の日本代表候補合宿にも招集されるなど、期待の高い大型ショートストップ。

(守備・走塁面)

大型故に、プレーにそれほどスピード感も感じませんし、きめ細やかさや堅実さも感じません。そうかと言って、¥物凄い強肩でもなく、深いところからアウトにするようなダイナミックプレーもどうかな?と思います。個人的には、守備の評価はけして高くありません。

残念ながら一塁までのタイムは計測できず。ただ実際プレーを見ている限り、あまり足を売りにするというほどではないように思います。守備・走力に関しては、この体格の割には動けるといった感じではありますが、プレーに洗練さは感じられませんでした。

(打撃内容)

大きく前足を引いた、左オープンスタンス。グリップを高めに引き上げ、懐を深く構えます。仕掛けとしては「平均的な仕掛け」であり、ある程度の対応力と長打力をバランスよく兼ね備えた中距離タイプ。

<長所>

上半身の使い方に特徴があります。打撃の準備である「トップ」を早めに作り、上からミートポイントまでロスなく振りぬきます。それでいて大きな弧を描き、強打者らしい破壊力のあるスイングは出来ています。

<課題>

足を大きく引き上げて来るので、結構目線が安定しません。更に踏み込んだ足元がインパクトの際にブレてしまい、打ち損じが多いのも気になります。

(今後は)

まだまだ全国レベルの対応力・守備力は、身につけられていないように思えます。それだけに、高いレベルの野球を経験し、今後にいかに活かすかではないのでしょうか。この一年で、攻守にどのぐらいレベルアップをするのか見守って行きたい一人です。

(2012年 大学選手権)

 
梅野 隆太郎(福岡大)捕手 
173/72 右/右 
(福岡工大城東出身)


(九州六大学野球連盟)

 
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河野 拓郎(九州国際大)遊撃
181/80 右/左
(北九州市立出身)


(九州六大学野球連盟)

 
 1年春から3年秋まで、6季連続ベストナインを継続中。

 
対馬 和樹(九州共立大)捕手
181/86 右/右 
(駒大苫小牧出身)


(福岡六大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 駒大苫小牧時代の2年生時に北海道で観て、その将来を期待していた選手でした。しかしドラフト候補としては騒がれないまま、九州共立大にひっそりと入学。しかし1年時から正捕手を掴むなど、やはり確かな資質があったのは間違いありませんでした。大学選手権ではリーグ戦で打率.205厘だったにも関わらず、4番打者で起用されるなど、その思いっきりの良いスイングに期待が高いようです。

(ディフェンス面)

 ミットをしっかり示し、グラブも下に下げません。昨年までは、グラブを一度地面に降ろす癖があったのですが、そういった癖もなくなりました。元々打球への反応も素早いですし、ワンバウンド処理も下手ではありませんでした。そういった部分の技術は、更に磨かれた気が致します。福井工大戦では、塁間1.8秒台前半のスローイングを魅せる場面はなかったものの、地肩の強さは本物です。ガッチリした体格ですが、フットワークも機敏。更に投手を叱咤激励しながらプレーする強気の選手ですが、まだまだ先輩投手相手にだけに、そういった傾向は高校時代よりも弱い気が致します。ただディフェンス力の信頼は、極めて高いのではないのでしょうか。

(打撃内容)

 体が強いので、当たれば強い打球が放てます。長距離打者ではないのですが、足を大きく引き上げて、思いっきり踏み込み振り切るスイングが魅力です。

 スクエアスタンスで構え、もう少し構えがリラックスできていると良いですね。投手の重心が下がり始める前に足を大きく引き上げる「早すぎる仕掛け」を採用。その足を真っ直ぐ、思いっきり踏み込んできます。ただ少し残念なのは、踏み込んだ足下がブレてしまう点。そのため開きが我慢できずに、打ち損じも多くなってしまいます。そこを改善できると、随分と打率は変わって来るように思えます。

 あらかじめグリップをトップの位置に添えており、そこから振り出します。バットの振り出しは平均的ですが、大きな弧を描きつつ、思いっきり最後まで振り抜きます。この選手の良さは、何より思いっきりがいいことにあります。

(最後に)

 まだまだ打撃では粗い部分がありますが、気持ちで負けていないのが良いところ。これにもう少し確実性が出てくると、捕手としては合格ラインでしょう。ディフェンス力も確かなものがありますし、最終学年までの成長が楽しみです。志しを持って、世代を代表する捕手として活躍して行って欲しいと思います。

(2011年 大学選手権)



(どんな選手?)

 2年春の春季北海道大会で見て、最終学年ではドラフト候補として騒がれるだろうと期待していた選手です。しかし最終学年では、そのプレーを確認できず。結局それほど騒がれることなく、どうしているのかな?と思っておりました。しかし今回の大学選手権では、1年生ながら九州共立大のマスクをかぶり、思わぬ再会を果たしました。

(ディフェンス面)

 ミットをしっかり投手に示すのですが、一度降ろしてしまう癖があります。ただ打球への反応もよく、低めへのミットの出し方も悪くないので、それほど悲観しなくても好いかもしれません。ボールをしっかり押し込めるキャッチングもあり、捕球は好い選手だと思います。

 高校時代は、投手を叱咤激励するような強い返球が見られましたが、まだまだ1年生と言うこともあり、先輩に遠慮しているのか?軽く返球している場面が目立ちます。スローイングも塁間1.8秒台前半と、捕ってから素早さ・地肩の強さは目を惹きます。ただ投手も悪いのですが、モーションを盗まれるケースも多く、中央学院大戦では、盗塁を多く許しておりました。まだまだ素材に頼った部分もあり、実戦に即した術を磨いていって欲しいと思います。

(打撃内容)

 塁間4.4秒前後(左打者換算で4.1秒前後)と、かなり動ける身体能力の持ち主です。身体も強いので打球も強烈なのですが、まだまだ粗いと言うか脆い印象は否めません。

 スクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランスはイマイチなものの、両目で前を見据える姿勢は悪くありません。

 仕掛けは「遅めの仕掛け」を採用するなど、強打者・スラッガータイプ。軽く足を真っ直ぐ踏み出しますが、踏み込んだ足下が地面から離れるのが早いタイプなので、基本的にセンターからレフト方向に引っ張るタイプだと思われます。

 高校時代同様に、バットを寝せて出して来ます。そのためボールを捉えるまでに、やや遠回りの軌道を辿ります。ただバットの先端は下がらないので、ドアスイングと言うほどではありませんが、確実性の低いスイングです。

 目線のブレは並ですが、腰の開きはやや早く、軸足も崩れ気味です。当たれば大きいですが、基本的に確実性に乏しいタイプかと思います。この辺の打撃レベルの向上が、今後の課題でしょうか。

(今後に向けて)

 捕手としての素材は、改めてプロを意識できる素材だと思いました。ただ、まだまだ実戦力には乏しい部分もあり、打撃も含めて今後4年間で、何処までの選手に育つのか気になります。4年後は、マスコミやスカウトからも騒がれる、真のドラフト候補へ育って頂きたいと思います。

(2010年 大学選手権)


 
佐藤 大道(九州共立大)外野
179/78 右/左
(八幡出身)

(福岡六大学野球連盟)

 
 優れたボール捌きで、存在感を示す。

 
新田 亮(九州共立大)外野
168/63 右/左
(浦添商出身)

(福岡六大学野球連盟)

 
 快速生かしたプレーで、相手を翻弄。

 
加藤 次郎(九州産業大)遊撃
178/68 右/左
(八重山商工出身)


(福岡六大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 八重山商工の4番打者でありながら、遊撃手も守るスケールの大きな内野手です。攻守に粗いのですが、ダイナミックな強肩を生かした遊撃守備には、同校屈指のスケールを感じさせてくれます。

(守備・走塁面)

 キャッチング・フットワークなどには物足りなさはあるのですが、深いところから刺せる地肩の強さは大いに魅力です。繊細な動きやスピード感があるタイプではないので、上のレベルでは遊撃手は厳しいと思いますが、三塁手あたりでは面白い素材ではないのでしょうか。

(打撃内容)

 ボールを捉えるセンスなどに少々課題があり、脆い印象は拭えません。ただ肉体のポテンシャルがある選手なので、当たれば強い打球が放てます。強豪・八重山商工の4番を担っているのですから、それなりの打力はあるものと思われます。ただその粗さを将来的に改善出来るかは微妙でしょうか。

(今後は)

 強肩・強打の内野手として、非常にスケールを感じさせる素材です。ただその素質を開花させられるかどうかは微妙でしょうね。厳しい環境で揉まれて、更に自分を徹底的に高めて行ける自信があるのならば、有力大学に進んで野球を続けるべきかと思います。素材としては非常に面白みのある選手だけに、また何処かで出会ってみたい選手です。

(2009年・夏)


 
皿木 進也(日本経済大)外野
179/75 右/右
(福井工大福井出身)

(福岡六大学野球連盟)

 
 三拍子バランスの取れたプレーヤーで、3年秋には2度めのベストナインに。

 
河野 凌太(日本経済大)三塁
177/82 右/左
(明豊出身)


(福岡六大学野球連盟)

 
(どんな選手?)

 春は4番を任されていた選手ですが、この夏は6番に下がりました。しかし打席での雰囲気・破壊力は、さすが元4番の片鱗があります。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.15~4.25秒ぐらいと、ほぼプロの基準レベルがあるようです。大分予選の5試合でも3盗塁を決めるなど、走力以上に走れる選手であるようです。

 打球への勘の良さや、落下点にいち早く回って捕球する外野守備は健在でした。地肩に関してはよくわかりませんが、守備も上手い選手だと思います。

 守備・走塁に関しては、基準以上のモノがあると考えて良さそうです。

(打撃内容)

 スクエアスタンスで、少しグリップ付近を軽く揺らぎます。少し気楽な環境打てる方が良いのか?大分予選では、打率.471厘と高いアベレージを残しました。また甲子園でも西条戦に、ドラフト候補の秋山投手のストレートを左中間スタンドに叩き込みました。

 実際、緒戦の興南戦では、それほど光るものはありませんでしたが、課題のヘッドスピード物足りなさにも、だいぶ違和感がなくなってきました。また軽く足を引き上げて、真っ直ぐ踏み込み足下がブレないのが好いですね。

(今後は)

 ドラフト候補云々と言う選手ではないのですが、三拍子バランスの取れた好選手です。あとは、レベルの高い相手でも、それを攻略出来る高い技術を身につけたいところです。大学などに進んで野球を続けて行ける素材だと思いますので、今後の活躍を期待したい1人でした。


(2009年・夏)




(どんな選手?)

 下級生から明豊の中軸を任されてきた選手だけに、打席でも雰囲気のある4番打者です。力強さよりも、ボールに合わせる対応力の高さが自慢です。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.15秒前後と基準である4.2秒をやや上回る脚力です。新チーム結成以来の49試合で21盗塁と、4番打者ながら、まずまず動ける選手です。

 打球への勘の良さや落下点にいち早く回って捕球する外野守備は健在でした。地肩の強さはよくわかりませんでしたが、守備・走力のバランスが取れているのも、この選手の魅力です。

(打撃)

 明豊の4番ながら、少々ヘッドスピード・打球の強さには物足りないものを感じます。新チーム結成以来の45試合で4本塁打と、長打力をバリバリに示すタイプの4番ではないようです。

 ボールを当てるセンスには優れておりますが、バットの芯で捉える、強い打球をはじき返すヘッドスピードに欠け、まだまだ木製バットを意識すると課題が多いのも確かでしょう。

(今後は)

 守備・走力はあるので、あとは木製バット・レベルの高い相手を意識した強いスイングを身につけることだと思います。上のレベルでも活躍が期待出来る素材だと思いますが、もっともっと夏までにはバットを振り込んで、その存在感を示して欲しいと思います。


(2009年・センバツ)



 2年生ながら、明豊の5番打者を務める選手。なんと新チーム結成以来、公式戦では打率.512厘と極めて高いアベレージをマーク。コンスタントにヒット打つ選手でもあります。

 スクエアスタンスで構え、真っ直ぐ踏み出すオーソドックスなタイプ。ただ少々バランスが悪いのか、インパクトの際に足元がブレてしまう欠点がある。この選手の素晴らしいのは、打球への勘の良さ。落下点にいち早く回ってボールを補強出来る選手だと思います。

 来年に向けて楽しみな選手の1人。もう一回り、二回りからだが大きくなって来ると、更に逞しさを増しそう。ぜひ成長した姿を、夏の甲子園でも見てみたいです。

(2008年・センバツ)



 コンスタントにヒットを連発していた。

(2007年・神宮大会)




大学3年生 投手編




 
玉井 大翔(東農大生産学部)投手
178/68 右/右
 (旭川実出身)

 
 1年生ながら大学選手権に出場し、140キロ台中盤をなげていた投手でした。その時はリーグ戦で、5勝0敗 防御率 0.21 と抜群の成績でした。しかし3年生になった今年は、2勝1敗 防御率 0.94 と数字を悪化させて戻ってきました。その数字が示す通り、伸び悩んでいる感は否めません。

 足をゆっくりとあまり高い位置まで引き上げず、大人しいフォーム。やや肘を下げた、スリークオータです。球速は、135~MAX141キロぐらいと平凡で、結構シュート回転するなど気になります。変化球はスライダーとのコンビネーションで、たまにカーブ・チェンジアップ気味の球を投げて来るように思います。

 ストライクゾーンにはボールが集まりますが、枠の中では結構アバウト。特に左打者への球筋が乱れがち。牽制などは悪くないのですが、以前ほど繊細が欠けているように思います。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足は、甘さは残るものの一塁側には落とせています。そういった意味では、見分けのつかないカーブや縦に鋭く落ちるフォークのような球種を投げられる下地はあると思います。

 「着地」までの粘りは平均的で、もう少し体をひねり出す時間が確保できるようだと、もっと変化球のキレ・曲がりも鋭くなるのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブをしっかり内に抱えられていないので、フォームが暴れて球筋が安定しません。ただ足の甲では地面を押しつけられているのと、「球持ち」はそれほど悪くないので、そのことである程度ボールをコントロールしています。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻は落とせますので、肘への負担は少ないはず。腕の角度にも無理は感じないので、肩への負担も少なそう。そういった意味では、故障の可能性は低いのでは? それでもパフォーマンスが以前より低下しているのは、何かしらの故障に見舞われたのでしょうか?

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは平凡で、体の「開き」が早いのが気になります。これでは、コースを突いたような球でも、球筋がいち早く読まれて打たれてしまいます。

 腕は体に絡むように、最後までしっかり振られています。速球と変化球の見極めはつき難いので変化球を有効に活かせるはず。ボールへの体重の乗せも悪くないので、打者の手元までは勢いが落ちないボールが期待できるはずなのですが・・・

(最後に)

 まずは、一年生の頃できていたパフォーマンスを取り戻すことから始めたいですね。ボールの勢いだけでなく、投球の繊細さが損なわれています。その上で、ピッチングの幅を広げて行ければと期待します。来年は最終学年、成長した姿で大舞台に戻ってきて欲しいと思います。

(2013年 大学選手権)




(どんな選手?)

 1年生ながらリーグ戦で、5勝0敗 防御率 0.21 と素晴らしい成績を残しました。大学選手権二戦目の慶応戦では、ロングリリーフで、その存在感を全国に知らしめました。

(投球内容)

 オーソドックス右上手投げ投手ですが、球速は130キロ台後半~140キロ台中盤まで到達。特に打者の内角に厳しく突く球が目立ちました。また曲がりながら沈むスライダーにも威力があり、この球とのコンビネーションで投球を組み立てます。

 おおよそ両サイドに球散らせ、勝負どころでは厳しいところを突けます。マウンド捌きも経験豊富な印象で、ピンチでも動じずに投球。クィックも1.0秒台前後と高速で、牽制などは見分けが難しく、思わず一塁走者が刺される場面も観られました。持っている野球選手としてのセンスが高いのでしょう。肉体の資質よりも、そういったセンスで相手牛耳るタイプです。

(投球フォーム)

 静かにおとなしめに入るフォームで、一塁側へにはお尻を落とせます。そのためもっと見分けの難しいカーブや縦の変化も身につけそうなものなのですが、着地までの粘りがなく時間が足りないのが今後の課題でしょうか。

 グラブをしっかり抱えきれていないので、フォームは暴れ気味。足の甲の押しつけも、やや甘い傾向にあります。球持ち自体が良いので、これでもある程度の制球を保てていますが、もっと高い精度の制球力を追求するのならば、この辺の細かい部分まで神経を行き届かせて欲しいところ。
 
 体の「開き」は平均的で、「着地」までの粘りが作れれば、もっとフォームにイヤらしさが出てくるはず。腕の振り・体重移動に関しても、可も不可もなしといった感じでしょうか。

(今後は)

爆発的に資質を伸ばしてゆけると言う伸びしろは、正直感じません。ただ一年生にして、確かな実績を残しましたから、その段階で全国を経験できたことは、新たな目標を持つためにも大きかったと思います。これから卒業するまでに、何処まで資質を高めてゆけるのか、じっくり見守って行きたいと思います。

(2011年 大学選手権)

 
風張 蓮(東農大生産学部)投手
181/82 右/右 
(伊保内出身)

 
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平田 晃基(道都大)投手
184/82 右/右 
(白老東出身)

 
 白老東時代はプロ注目の逸材ということで、私自身北北海道大会を見に行きました。しかしその試合では、実弟が完投してしまい、最後まで投手・平田 晃基 を確認できないまま高校時代が終わります。

 結局プロに指名されることなく、横浜商科大に進学。過去オープン戦で2,3度見たことがあったのですが、どうしても140キロを超えることもなく、制球・投球術・変化球など物足りない印象がありました。

 しかしこの大学選手権では、ストレートが見違えるほど良くなりました。MAX149キロ記録するまでになったという速球は、この大学選手権でもコンスタントに145キロ前後(MAX146キロ)を記録。評判どおり、ストレートの勢いには観るべきものがあります。

 変化球は、緩いカーブで緩急をつけたり、スライダー・チェンジアップも織り交ぜます。まだ絶対的な球はありませんが、思ったほど悪くありませんでした。少々開きの早いフォームなのは気になりますが、ボールも適度に散り、クィックも1.2秒弱で投げ込めるなど、投手としての適度なまとまりも出てきています。

(投球フォーム)

 ランナーがいなくてもセットポジションから投げ込み、勢いよく高い位置まで足を引き上げる躍動感溢れるフォームが魅力。

<広がる可能性> 
☆☆☆

 お尻はわりあい一塁側に落とせるので、甘さは残るものの体を捻り出すスペースは確保出来ています。そのためカーブで緩急をつけたり、縦の変化にも無理はありません。

 むしろ気になるのは、「着地」までの粘りが甘くフォームがあっさりしている点。体を捻り出す充分な時間も確保できないので、変化球のキレ・大きさにも特徴が欠ける要因になっています。

<ボールの支配> 
☆☆☆

グラブは最後まで内に抱えられていますが、最後後ろに流れ気味。それでも適度にボールはコースに散っています。むしろ問題なのは、足の甲の地面への押し付ける時間が短いので、ボールが真ん中~高めに集まりやすいのが気になります。それでも「球持ち」が好いので、だいぶボールが浮くのを抑えこむことはできるようになりました。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻は甘さは残るものの、一塁側に落とせています。そういった意味では、肘への負担は少ないはず。また腕の角度はスリークオーターで、肩への負担も少ないでしょう。そういった意味では力投派ですが、比較的負担の少ないフォームであると考えます。

<実戦的な術> 
☆☆

 「着地」までの粘りがあっさりしているので、打者としては合わせやすいはず。また「開き」も自然と早くなり、打者としてはいち早く球筋が読まれ、コースを突いたような球で打ち込まれてしまいます。それを尋常じゃない「球持ち」で、ボールにバックスピンをかけて伸びのある球を実現しています。

 思ったよりも、腕が体に絡んできません。これだと速球と変化球の見極めがついてしまい、変化球を振ってくれません。ボールのへの体重の乗せは悪くないのですが、足の形がガニ股になっているように、作り出したエネルギーがロスしているのがわかります。フォームには、まだまだ無駄な動きが少なくありません。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では「着地」の粘りの無さと「開き」の早さに課題があります。「体重移動」は悪くないのですが、力がロスしてしまっています。「球持ち」は素晴らしいので、この点は特筆すべきポイント。

 体への負担が少ないフォームなのも魅力で、制球は足の甲の抑えが不十分で、ボールが上吊りやすい点の改善が求められます。

(最後に)

 ようやく本格化してきた印象で、ストレートに関しては素晴らしい勢いが出てきました。しかしまだ投球フォームや変化球、投球術に課題が残り、素材型の域を脱していません。来年のドラフト候補として再びマークできるレベルまで来ていますが、指名されるとなると更なるレベルアップが求められます。今後もその成長ぶり、注目してみたい一人です。

(2013年 大学選手権)

 
佐野 泰雄(平成国際大)投手
176/78 左/左
(埼玉・和光出身)

 
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小林 慶祐(東京国際大)投手
186/80 右/右
 (八千代松陰出身)

 
 真上からビシッと投げ込んで来る140キロ台のストレートと、落差の大きなフォークとのコンビネーションで、来年のドラフト候補と期待される存在です。春のリーグ戦では、5勝1敗 防御率 1.52 でチームを大学選手権に導きました。リーグ戦では、最優秀防御率とベストナインに選出。ただ大学選手権では、思い通りのピッチングはできず、全国の壁の高さを痛感することになりました。

(投球内容)

 スピードガン表示の厳しい東京ドームでも、初回はコンスタントに140キロ台を記録し、MAX143キロを記録。圧倒的にフォークとのコンビネーションで、時々スライダーを挟む程度。ストレートの勢い・フォークの落差はあるものの、どうしてもフォークに頼りきった投球になると、コンビネーションが単調になり投球が汲々となってしまいます。細かい制球力に欠け消耗も激しく、イニングを重ねるにつれ速球の勢い・フォークの落ちも鈍ってきます。現状は、上のレベルを意識すると、先発では苦しいなぁといった印象が残ります。

 牽制は鋭いのですが、フィールディングはあまり上手くは見えません。現状は、フォークとストレートの威力が勝って、細かいコントロール・投球の「間」や駆け引きとかそういったものはありません。来年プロを意識するのであれば、もう少しフォークだけに頼ららないピッチングを身につけるべきではないのでしょうか。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を比較的高い位置でピンと伸ばせるので、お尻は一塁側に落とせます。体を捻り出すスペースは確保できているので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球を投げるのには無理がありません。ただ「着地」までの粘りはそれほどでもないので、体を捻り出す時間は平均的。そうなると変化球のキレがイマイチだったり、曲がりが小さかったりします。もう少し投球の幅を広げる意味でも、着地までの「間」を稼げるようになりたいところ。

<ボールの支配> 
☆☆

 グラブを抱える意識がないので、フォームが暴れて制球が安定しません。足の甲での地面への押し付けも浮いてしまい、ボールがどうしても高めに抜けがち。けして指先の感覚も良さそうではないので、どうしても後はボールに訊いてくれ!といった投球になってしまいます。けしてストライクが入らず苦しんでいるわけではありませんが、上のレベルで通用するにはもう少し思い通りボールを制御できるようにしたいです。

<故障のリスク> 
☆☆

 お尻を落とせるフォームなので、肘への負担は少なそうと言っても、圧倒的にフォークを多投するので心配です。まして腕を真上から振り下ろし、グラブを持っている腕は下がり、ボールを持っている腕は極端に上がるような格好で投げていますから、肩への負担は大きいはず。まして力投派ですから、体への負担はかなり大きいと考えて好いでしょう。故障には充分注意して、取り組んで欲しいと思います。

<実戦的な術> 
☆☆

 「着地」までの粘りもそれほどでもないですし、体の「開き」も早めで、打者としては球筋が見極めやすいタイプ。少しでもボールの勢いが鈍って来ると、つけ込まれる危険性があります。

 真上から豪快に投げ下ろす割に、振り下ろした腕は体に絡んできません。またボールへの体重の乗せも、踏み込んだ足が突っ張ってしまい、前に重心が移って行きません。現状は、上半身の強い振りでキレを生み出しており、ウエートの乗ったボールが投げ込めているわけではありません。

(最後に)

 ボールの勢いもありますし、フォークの落差にも観るべきものがあります。そのため短いイニングならば、ある程度上のレベルでもボールの威力で押せる気は致します。しかし長いイニング・登板過多になってきた時に、それに対応できるほどのコントロール・投球術・フォームの裏付けなどがないだけに、プロでは不安がつきまといます。その辺の問題を、来年までにどのぐらい解消できるのか、それにかかっていると思います。それでも来年のドラフト候補としてマークできる素材ですし、千葉リーグから直接ドラフト指名される可能性を秘めている楽しみな選手だと言えるでしょう。

(2013年 大学選手権)

 
有原 航平(早稲田大)投手
187/93 右/右 
(広陵出身)

 
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山崎 福也(明治大)投手
186/88 左/左
(日大三出身)


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石田 健大(法政大)投手
180/80 左/左
(広島工業出身)


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山崎 康晃(亜細亜大)投手
177/72 右/右 
(帝京出身)

 
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藪田 和樹(亜細亜大)投手
183/82 右/右
(岡山理大付出身)


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島袋 洋奨(中央大)投手
173/71 左/左
(興南出身)

 
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戸根 千明(日大)投手
175/90 左/左
(石見智翠館出身)


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田中 大輝(国学院大)投手
182/76 左/左
(必由館出身)

 
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西山 勇弥(福井工大)投手
179/75 右/右 
(京都府立工出身)

 
(どんな選手?)

 高校時代は、春季京都大会で実際に観たことのある選手です。当時は、MAX142キロを誇る投手と言う触れ込みでしたが、観た印象ではスライダー投手との印象が残っております。ただ大学選手権では、すべてストレートだけで押す投球でした。

(投球内容)

 テイクバックが小さいなフォームから常時135キロ前後~MAX139キロ。球速以上にボールには勢いが感じられました。大体球速以上に勢いを感じさせる投手と言うのは、それ以上の球速を秘めているか、将来更に球速を伸ばして行ける投手が多いと経験的に思います。高校時代計測した時が、MAX86マイル(137.2キロ)だったことを考えると、この一年でも緩やかに球速を伸ばしていることがわかります。ただ制球はアバウトで、力任せで投げている感じが致しました。

 高校時代に、もう少しじっくり投球を観た時は、外角低めへの制球に優れ、そこに切れこむスライダーに絶対的な自信を持っているように感じられました。そういった投球も、大学で徐々に先発などを任せられるようになると、これから見られるのではないのでしょうか。

(投球フォーム)

 お尻の落としは、けして一塁側に落とせていないわけではないのですが甘い傾向にあります。着地までの粘りも平均的で、見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるフォークなどの修得により、投球の幅を広げてゆくのは難しいかもしれません。

 グラブは比較的最後まで体の近くにありますが、足の甲の押さえが浮いてしまい上手くできません。そのためボールが抜けてしまうことも少ないないようです。腕の振りにも無理はなく、故障への可能性は低そう。

 小さなテイクバックの上にグラブで上手くリードしながらボールを隠し、打者からは突然ボールが見えて来る感じで長くボールを隠せております。開き自体は平均的ですが、球持ちも悪くなく、まずまず実戦的です。

 腕も振れているのですが、足の甲の押さえができないことから、下半身のエネルギー伝達が上手く行かず、体重移動に大きな課題を抱えます。

(今後は)

リーグ戦では、5試合で1勝1敗 防御率 2.63 と経験も積みました。高校時代では無縁の全国の舞台も経験し、この投球をいかに今後に活かすか注目されます。福井工大の将来を担う存在になるのではないのでしょうか。今後の活躍に、期待してみたいと思います。

(2011年 大学選手権)

 
田中 英祐(京都大)投手
179/72 右/右
(白陵出身)

 
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浜田 智博(九州産業大)投手
183/75 左/左
(宮崎工業出身)

 
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大学3年生 野手編




佐藤 卓也(東北福祉大)遊撃
173/70 右/右
(花咲徳栄出身)

 
 
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大谷 昇吾(上武大)二塁
172/72 右/左
(樟南出身)


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寺嶋 寛大(創価大)捕手
183/82 右/右
(興誠出身)

 
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伊藤 諒介(法大)三塁&左翼
172/78 右/左
 (神港学園出身)

 
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小野田 俊介(早稲田大)外野
180/72 右/右
(早稲田実出身)

 
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中村 奨吾(早稲田大)二塁
180/75 右/右
(天理出身)

 
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糸原 健斗(明治大)三塁
175/73 右/左
(開星出身)


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岡部 通織(立教大)中堅
177/78 左/左
(帝京出身)

 
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江越 大賀(駒沢大)外野
182/85 右/右
(長崎海星出身)


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野間 峻祥(中部学院大)中堅
180/80 右/左 
(村野工業出身)

 
 チームの3番・中堅手を担い、今春のリーグ戦では打率.426厘 0本 11打点 でベストナインやMVPにも選出。今春の大学選手権でも、上手く体を残してレフト前にはじき返しました。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を、4.0秒を切るような俊足で走り抜ける脚力もあり、中堅守備も安定した三拍子揃った好選手。地肩は、基準レベルぐらいで際立つものはありません。

(打撃内容)

 逆らわない打撃が身上で、強打者というよりは好打者の印象を受けます。

<構え> 
☆☆☆

 前足を引いた左オープンスタンスで、グリップは高めに添えます。腰の据わり具合、全体のバランスとしては平均的ですが、両目でしっかり前を見据えられているのは好いところ。

<仕掛け> 平均的な仕掛け

 投手の重心が下がりきったあたりで始動する「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の対応力と長打力を、バランスよく兼ね備えた中距離打者・ポイントゲッターが多く採用する仕掛けです。

<足の運び> ☆☆☆☆

 
足を引き上げ回し込み、ほぼ真っ直ぐ踏み込んできます。ある程度「間」を作ることができるので、緩急への揺さぶりにも対応。真っ直ぐ踏み出すように、内外角を幅広く対応しようとします。踏み込んだ足元もブレないですし、重心を上手く残してレフト方向への打撃も上手く行います。

<リストワーク> 
☆☆☆

 
打撃の準備である「トップ」を作るのは平均的で、バットの振り出しもインサイド・アウトというわけではありません。ある程度懐にスペースが欲しいタイプではあるのですが、バットの先端であるヘッドを立てて、綺麗に振りぬきます。それほどスイングに力感は感じず、上手く合わせることに重きを置いたスイングだと言えそうです。

<軸> 
☆☆☆☆

 
足の上げ下げの割に、頭の位置が安定し目線が上下動しません。体の開きも我慢出来ており、軸足にも粘りを感じます。体軸は安定しており、調子の波が少ないタイプではないのでしょうか。

(最後に)

 
来年のドラフト候補というほどの凄みは感じないのですが、リーグでの実績や想像以上の脚力を持っているかもしれません。そういった意味では、来春も一度チェックを入れてみる価値はありそう。あとは「強さ」や「鋭さ」を追求して取り組めば、来年楽しみな存在に成長しているかもしれません。

(2013年 大学選手権)


峰下 智大(近畿大)遊撃
179/80 右/左
(佐賀学園出身)

 
 
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大学2年生 投手編



 
金澤 一希(道都大)投手
178/76 左/左 
(旭川龍谷出身)

 
 旭川龍谷時代は、道内屈指の左腕として注目されました。私自身高校時代確認できなかったので初めて見るのですが、非常に静かにゆったりと足を上げつつ、テイクバック小さくピュッと鋭く振って来るギャップでタイミングを狂わせるタイプかと。

 当日は雨でぬかるんで、踏ん張れないマウンド状況。それを差し引いても、球速は135キロ前後(MAX138キロ)程度で、球威・球速的には物足りなさは否めません。ドラフト候補というスケール感はなく、適度にまとまった実戦派との印象を受けます。

 変化球は、100キロ台のカーブとのコンビネーション中心に、たまにスライダーやシュート系の球を投げ込みます。ただカーブは抜けることも少なくありませんし、ストレートも全体的に高いのが気になります。この春のリーグ戦成績は、4勝0敗 防御率 1.71 で、エース格として活躍しました。牽制はまずまず鋭く、フィールディングも上手いのですが、クィックは1.05~1.50と、かなり使うときと使わない時の差が激しい。できればクィックをつかわずに、ゆったりとした「間」を活かした投球に徹したいようです。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、腕の振りの緩まないカーブや縦に鋭く落ちるフォーク系の球種に適しません。また「着地」までの粘りもないので、変化球が曲がりきらなかったり、キレの好い球の修得には苦労するのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられているようで、両サイドの制球は安定しやすいはず。足の甲でも地面を押し付けられているように見えますが、「球持ち」が悪いのか?ボールが高めに抜けることも少なくありません。リリースを押し込め安定するようになれば、細かい制球も良くなると思うのですが・・・

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻が落とせない割にカーブを多投するので、その点で肘への負担は感じます。腕の角度も結構あるのですが、それほど振り下ろしに無理は感じません。そういった意味では、肩への負担は少なそう。けして力投派ではないので、故障の可能性は大きくはないと思います。

<実戦的な術> 
☆☆

 「着地」までの粘りに欠けるので、打者としては合わせやすいはず。「開き」自体は早くないので、球筋が読まれやすいことはないでしょう。コースにしっかり投げられれば、抑えられるとは思いますが。

 腕の振りが弱く、体に絡んできません。これでは、速球と変化球の見極めはつきやすいはず。またボールに上手く体重が乗せられていないので、打者の手元まで生きた球が行きません。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」において「開き」を除く各項目では、すべてに課題を残します。実戦的にみせて、そうでないことがわかります。

(最後に)

 すでに2年生の時点で、チームの主戦に成長した点は高く評価します。しかしこれから全国、更に上のレベルへと意識した場合に、物足りない部分が少なくありません。

 ある程度試合をまとめられる左腕だけに、実戦力が伴えば面白い存在だとは思います。あと2年間でどのぐらいの投手に育つのか、今後も注目して行きたい一人でした。

(2013年 大学選手権)

 
井上 和紀(福井工大)投手
175/67 右/左
 (帝京五出身)

 
 MAX143キロを記録する左腕ということでしたが、大学選手権・上武大戦では、常時135~MAX139キロぐらいと、驚くような球威・球速はありませんでした。キレのあるストレートとカーブ・スライダー・スクリューなどを織り交ぜて、コンビネーションで仕留めて来る好投手です。帝京五時代は、愛媛屈指の左腕として注目されました。

 牽制は左腕らしくそれなりで、クィックも1.2秒前後と平均的。マウンド捌きなども悪くないのですが、ストライクゾーンの枠の中でのコントロールに課題があったり、高めのボールゾーンに抜ける球が目立ちます。甘く入った球を、日本一になった上武大打線は見逃してくれませんでした。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻はあまり落とせません。そのためカーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に鋭く変化球には適しません。しかし前に大きくステップすることで、着地までの時間を確保。着地までの粘りは、平均的でした。より粘れるようになると、体を捻り出す時間が確保できて、より変化球のキレも増すのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面を押し付けられているですが、リリース迎えた後あたりから押し付けるので効果がありません。「球持ち」も浅くボールを押し込めないので、ボールが上吊ってしまいます。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻は落とせませんが、カーブやフォークをそれほど多投するわけではないので、悲観しなくても。腕の角度にも無理はないので、故障の可能性は低いのでは?

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは平均的で、体の「開き」も並ぐらいでしょうか。腕はしっかり振ることができているので、速球と変化球の見極めは困難。あとは、もう少しボールに体重が乗せられるようになると、ベース板の上まで球威が落ちないのではないのでしょうか。

(最後に)

 実戦派左腕として期待したいのですが、まだコントロール・ボールの威力共に発展途上の印象を受けます。今回全国大会のレベルを直に感じることで、自分に足りないものをハッキリ認識できたはず。この経験を糧に、更なる成長を期待してやみません。更に成長が挑めれば、社会人への道も開いて来るのではないのでしょうか。

(2013年 大学選手権)

 
唐仁原 志貴(福岡大)投手
184/75 左/左 
(小林出身)

 
 昨秋1年生ながら神宮大会で、素晴らしいストレートを投げ込んでいた正統派左腕。2年生になった今春のリーグ戦では、5勝0敗 防御率 0.79 と優勝に大きく貢献。そのボールだけでなく、実戦でも確かなものを残して全国の舞台に戻ってきた。

 球速表示こそ140キロ前後(MAX142キロ)だが、スパッとキレるストレートはわかっていても中々打てない。変化球は、カーブ・スライダー・スクリュー系と一通りあるが、現状はストレートが優っている印象。牽制は平均的で、クィックは1.1秒台と基準以上。ただそれほど「間」を使ったり、微妙な投球術があるわけではなく、ストライクゾーンの枠の中にボールを集めて来るというシンプルなもの。アウトコース全般にボールを集めて来るが、ボールはやや高めに抜けることがあるなど、まだ細かいコントロールまではない。

(投球フォーム)

 ランナーがいなくても、セットポジションから足をスッと高い位置まで引き上げてきます。

<広がる可能性> 
☆☆


 引き上げた足を地面に伸ばすため、腕の振りが緩まないカーブを投げたり、縦に鋭く落ちる変化球の修得には無理があります。また「着地」までの粘りがもう一つなので、キレや曲がりの大きな変化球の修得は厳しいかもしれません。そのためあくまでも、速球を全面に出した投球で勝負せざるえないのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブは体の近くにあるも、最後抱えが甘くなっています。ただ、足の甲の地面への押し付けは悪くありません。何より気になるのは、「球持ち」が浅く、指先の感覚が悪そうな点。そのためボールを押し込めず、リリースも安定していないように思います。枠の中にボールを集める制球力はありますが、大雑把な制球しかできないんが現状ではないのでしょうか。

<故障のリスク> 
☆☆

 お尻は落とせないので、カーブなどをあまり多投するようだと、肘への負担が生じます。また腕の角度にも無理があり、腕の送り出しに負担を感じます。肩の故障には、充分注意して欲しいと思います。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りはもうひとつも、体の「開き」は抑えられています。この辺は、わかっていても打てない球を生み出す一つの要因になっているのでしょう。

 「球持ち」が浅く、腕も強く振れないので、意外に腕が体に絡んできません。これだと、速球と変化球が見極められてしまうので、これからの課題となります。ボールへの体重の乗せは悪くなく、適度に地面を蹴り上げられています。そのため、打者の手元まで生きた球が投げられると考えます。

(最後に)

 ストレートに関しては、素晴らしい球を投げ込みます。しかし変化球や打ち難い実戦的なフォームという観点では、まだまだ多くの課題を抱えます。それ故に、今後大いに伸び悩む危険性も感じなくはありません。素材は素晴らしいのですが、その資質を伸ばして行けるのか、これからも注目して行きたいと思います。順調に伸びて行けば、2年後はドラフト最上位候補だと思います。

(2013年 大学選手権)